<東京ばな奈>

舞台で久美さんが演じたキャラクターたち。
久美さんが大好きなお菓子「東京ばな奈」を
囲み、彼女たちを対談させちゃうのが
このコーナー、<東京ばな奈>ですっ!



「新宿シアターKumiko」内にある
謎の地下室・・・(笑)。
まあるいテーブルを挟んで
一人掛けのソファーが四つ。
テーブルの中央には
山盛りの東京ばな奈。
司会進行は勿論、
久美さんっ!


 このコーナーは、エナケン・シリーズのパンフレット(劇団21世紀FOXさんの本公演にて販売されています)に載っている、河本浩之さんの「一人(?)対談」のコーナーに着想を得て作りました。久美さんのお名前を使ってはおりますが、西原久美子さんは一切タッチしていませんので、あしからずです。

軽〜い冗談のコーナーです。
それではどうぞ!





 
 
第1回
麗歌ありな
(「やっぱりあなたが一番いいわ」より)
×
久美子
(「2001ー」より)



司会
「はい、こんにちはーっ。いよいよ始まりました、<東京ばな奈>っ! 司会の西原久美子ですっ。今日はこちらのお二方にお越し頂いております」
ありな
(めいいっぱい愛想良く)「麗歌ありなです〜」
久美子
(かなり緊張した様子で)「く、久美子です。初めまして・・・」
司会
「今日はお忙しいところありがとうございますー。麗歌ありなさんは今、ノリにノッてる少女漫画家さん。中学生、高校生の女の子たちから絶大な支持を得ている、超売れっ子さんですっ」
ありな
(司会の腕をばん、と叩いて)「やっだー! そんなでもないですよー! あ、そうそう、あのね、漫画だけじゃなくて、イラストルポやイラストエッセイなんかも書いたことあるんです。イラストルポはTVドラマのスタジオ取材してね、イラストエッセイは好きな洋服のブランドや、お茶の時間のことなんかを書いたの。あ、ちゃんとしたエッセイも書こうと思えば書けるのよ。今まで機会が無かっだけでー、エッセイ集、出してほしいってファンもいっぱいいるんです。それでねそれでね!」
司会
(かなりたじろいだ様子で)「あ、そ、そうですか。続いて久美子さんの紹介を・・・」
ありな
(全然、聞いていない)「こういう対談、ずぅっとやってみたかったのー! これってぇ、第2回、第3回って続くんでしょ? あたしならあ、電話一本でいつでも時間、開けられるんだけどなあ・・・。あ、ほら、出演者の交渉って意外と大変じゃない。その点、あたしはあ、原稿も早いし、忙しくってもね、全然大丈夫なの。染奴さんみたいに落としたりしないしー」
久美子
「・・・・・・」(独り寂しく東京ばな奈を食べている)
司会
「あ、あの、麗歌さん? 久美子さんのご紹介を・・・。あ、えーと対談の方はですね、毎回・・・」
ありな
「毎回スマップのメンバーを一人ずつ! やっぱりぃ吾郎ちゃんが本命なんだけれどお、あ、最初は緊張しちゃうから、草薙くんからがいいなあ。テーマは・・・ウフ、れ・ん・あ・いっ!」
久美子
「・・・・・・」(ますます東京ばな奈を食べている)
司会
「あ、そうそ、テーマ。忘れてました! 少女漫画家とそのファン、お互い気になっていることを聞いちゃいましょう! というテーマだったんですっ。初めてなもので、ごめんなさいっ」
ありな
(妄想中)「え〜っ!? 初めてがいつだったかなんて、そんな質問、駄目っ。ごめんなさい〜! でもお、吾朗ちゃんになら教えてあげてもいいかな〜」
久美子
「・・・・・・」(ひたすら東京ばな奈を食べ続けている)
ありな
「あっ。この対談って何の雑誌に載るの? ほら雑誌の読者層によっては、あんまりHなのも良くないわよね。かと言って大人し過ぎるのもつまらないしい」
司会
「えっと、新宿シアターKumikoっていうところに・・・あ、そうそう、久美子さん! 久美子さんを紹介しなくちゃ。こちらは神奈川県在住の久美子さんですっ!」
ありな
(ここでやっと彼女を見る)「誰?」
司会
「一般人です〜。私と同じ名前だったので連れてきました〜」
ありな
(ちょっとむっとした様子)「・・・何で対談に一般人なの?」
司会
(慌てて)「あ、違う違う。少女漫画家とそのファン、ということだからいいんです。うん、いいんです」
ありな
(疑わしげに)「・・・本当ー?」
久美子
(ぺこりと頭を下げる)「・・・どうも」
ありな・司会
(と、テーブルの上を見て)「全部、食べちゃったの!?」
久美子
「え? あ・・・いけませんでした?」
司会
「いけないってことは無いんですけれど・・・」
久美子
「みんなのものは久美子のもの、久美子のものは久美子のもの、って、じいちゃんに教わったんです」 ありな
(ソファーの肘掛け部分にしがみ付くようにしてそっぽを向き)「なあに、この子? どうしてあたしがこんなのと対談しなくちゃいけないの?」
久美子
「あ、私、麗歌先生の大ファンなんです」
ありな
(ころっと態度を変えて)「まあ! そうなのお!? あなたみたいな年頃のファンに会うの、あたし初めて! 嬉しー!」
久美子
「はいー。先生の作品、身も蓋も無くて大好きです」
ありな
「え?」
久美子
「特に『呪いのツーピース』と『お湯物語』が大好きなんですー!」
ありな
「そ・れ・は! 染奴先生の漫画です!」
久美子
「あ、あ、その、『YOUNG ME』、毎月、買っています!」
ありな
「あたしは創刊号で下ろされました!」
久美子
「あ、せ、せ・・・」
ありな
(眉をしかめて)「せー?」
久美子
「蝉だねえ・・・」
ありな
「鳴いているのはコオロギです! もう秋よ!」
司会
「・・・あらあ・・・」
久美子
「あ、あ、あ、そうだ! じいちゃんにお燗、付けてあげなきゃ。私、これで失礼しますー! さようならー!」
司会
「・・・帰っちゃった・・・」
ありな
「ねえ! 何なの、あれえ?」(と、ここで突然、部屋が真っ暗に)
司会
「っ!? 停電・・・・?」
ありな
「きゃあきゃあきゃあー!」
ガイア
(スポットライトの光に照らされ登場)「ここは虚無。時間と空間の外でもあり、また内でもある場所です」
司会
「久美子ちゃん?」
ありな
「きゃあきゃあきゃあきゃあきゃあー!」
ガイア
「私は久美子ではありません。私の名はガイア。私は生命の源であり、また時間そのものでもあります」
ありな
「きゃあきゃあきゃあきゃあ! こときっちゃんー!」
ガイア
「たまには人の話を聞きなさい」
ありな
「・・・・・・」(顔を上げる)
ガイア
「私はあなたの性格をただしに来ました。さあ、共に参りましょう」
ありな
「はあ? あなた、大丈夫?」
ガイア
「井上琴吉の携帯電話から頬緒染奴の電話番号を隙を見て消去しましたね」
ありな
「ドキッ」(とちゃんと声に出して)
ガイア
「出前の食器を隣の人のドアの前に置き始めましたね」
ありな
「ギクッ」
ガイア
「こときっちゃんのお弁当に入っていたのは本当に肉じゃがだったのですか」
ありな
「それはどうだっていいじゃない!」
ガイア
「あなたの性格を直します。さあ行きましょう」
ありな
「せ、性格なんて悪くないわよ。おかしいのはあなたじゃないの!」
ガイア
「あ、吾朗ちゃんだ」
ありな
「たいが〜ちぇ・・・」
ガイア
「もう遅いです」(消えるスポットライト)
ありな
「きゃああーーーーーーーー!」
司会
(部屋に明かりが戻る。ガイアもありなの姿も無い)「・・・・・・。えー、二人ともいなくなってしまったので、今回の対談はここで終了です。全然、対談になっていませんでしたね。でもこれに懲りずに、皆様またご覧になって下さいねー。次回は化粧の濃い女とアイリスちゃんの対決、いえ対談です。お楽しみにー! それではまた会いましょう!」





第2回
化粧の濃い女
(「シグナルとブランコ」より)
×
アイリス
(サクラ大戦歌謡ショウより)



司会
(低い、色っぽい大人の女性の声で)「久美さんが舞台で今までに演じた役たちが、銘菓『東京ばな奈』を囲んで対談する・・・。それが東京クラブ・・・じゃなくて、東京ばな菜」
アイリス
(訳が分からない様子で小首を傾げている)「・・・?」
化粧の濃い女
(もううんざりしている)「誰に向かって喋ってんのー?」
司会
「今回からは東京クラブギャング風に喋っちゃうわよ★」
アイリス
「あ、アイリスも星マーク付けて喋りた〜い!」
司会
「いいわよ★ でも大丈夫? アイリスにできるかしら」
アイリス
「えっと・・・こう? は〜い、アイリスで〜す☆」
化粧の濃い女
(ふてぶてしい態度で) 「全然駄目ねー。中が塗り潰されてないし、上っ面だけだわ」
アイリス
「えー!」(と、頬を膨らませる)
化粧の濃い女
「見てなさい。こうよー。・・・あたしの子供産んだところ、ここで見せてあげるわよ★」
司会
「さすが化粧の濃い女! うう〜ん、とっても色っぽいわ・・・★」
化粧の濃い女
「・・・何か名前を呼ばれると腹立つわねー」
アイリス
「ええとお、こうかな? あたしの子供産んだところ(むぐっ)」(司会に口を塞がれる)
司会
「危ない危ない。こんなこと言わせたら、全国のファンに怒られちゃうわ。気を付けて★」
化粧の濃い女
「誰に向かって言ってんのお?」
アイリス
「ね、ね、ね。これ、食べていい?」(東京ばな奈を指差して)
司会
「東京ばな奈。ふんわりスポンジケーキの中に、とろーり、バナナカスタードクリームがたっぷり入ったお菓子よ。一度食べたら病み付きの美味しさ★ あなたをとろけさせちゃうわよ」
化粧の濃い女
「いつ対談が始まるのよ・・・」
アイリス
(東京ばな奈を頬張って)「おいしー!」(食べていいと思ったらしい)
司会
「いい加減、もう始めないと怒られるわよ、ジョージ」
アイリス
「おいしいね、ジャンポール☆」
化粧の濃い女
「こんなお菓子、普段、食べられないし。もらっちゃおっか」(と、赤いコートのポケットに東京ばな奈を詰め込み始める)
司会
「さて今回も始まりました東京ばな奈。今回のお客様はこちらの二人よ★」
アイリス
「あ、始まった」
司会
「まずこちらの化粧の濃い女性は・・・」
化粧の濃い女
(ムッとして)「劇団21世紀DOGSの看板女優よ。名前は言うまでもないでしょ」
司会
「どうやら彼女はご機嫌斜めみたい。でもプロポーション抜群のセクシー美女よ★」
化粧の濃い女
「・・・」(ちょっと嬉しくなったのか、また東京ばな奈をポケットに詰め込み始めた)
司会
「さて、こちらの金髪碧眼の美少女はイリス・シャトーブリアンさん。帝国歌劇団・花組の一員よ」
アイリス
「は〜い、アイリスで〜す☆ こっちは友達のジャンポール。8月15日〜25日、青山劇場でスーパー歌謡ショウをやるから観に来てね」
化粧の濃い女
「お芝居ならあたしもあるわ。5月28日〜6月2日、新宿シアターモリエールで、50回記念公演『アリス イン ワンダーランド』をやるわ。主役のアリスは、あたしに良く似た子よ」
司会
「二人ともしっかり宣伝ね。たくましいこと★」
化粧の濃い女
「ねー、チケット買ってよー」
司会
「え? 私?」
化粧の濃い女
(ぐったりしたように)「ノルマ大変なんだー」
司会
(素に戻る久美さん)「え、えーと、今は対談中だから、また後でね」
化粧の濃い女
「じゃあ、はい、チケット。三千八百円ねー」
司会
「何気に普通席なのね」
アイリス
「ねえ、おばちゃん・・・」
化粧の濃い女
「おばちゃん!?」
アイリス
(慌てて)「お姉ちゃん・・・」
司会
「役者の世界は厳しいわね★」
アイリス
(目を輝かせて)「お姉ちゃん・・・おっぱい大っきいねえ・・・☆」
化粧の濃い女
「ああん・・・ありがと★ でもそうね・・・お嬢ちゃん、まだ小さいから・・・。いいわ、教えてあげる」(ちょいちょい、と手招きする)
司会
「アイリスに妖しい視線を送る化粧の濃い女。この後、ドキドキの展開が★」
アイリス
「・・・?」(身を乗り出すと、手首を掴まれ、胸の中へと導かれる)
司会
「化粧の濃い女の胸の中から出てきたのは、何とアンパン! アンパンが二つ。どうやら彼女、ごまかしていたみたいね★」
アイリス
「だ、駄目だよ、おばちゃん。そんなこと言っちゃ」
司会
(ジト目になって)「おばちゃん・・・」
アイリス
「(またもや慌てて)お、お姉ちゃん。(化粧の濃い女の方を向いて)嘘、なの?」
化粧の濃い女
「分かってないわねえ。ま、お嬢ちゃんは子供だから無理無いか」
アイリス
「アイリス、子供じゃないもん」(ふてくされて椅子に座り、アンパンをテーブルの上に放り投げる)
司会
「・・・あら?」(気のせいか、不意に部屋の中が薄暗くなる)
化粧の濃い女
(得意げに続ける)「いい? これは別に悪いことじゃないのよ。この胸に騙される男がいても、後でばれても許させるくらい、こっちに惚れさせればいいだけの話なんだから。男はいい夢見て、女はうまく男をゲットできた。めでたしめでたしー★でしょ?」
司会
「・・・・・・」(嫌な予感がしている)
アイリス
「・・・・・・」(よく分からない)
化粧の濃い女
「・・・・・・」(思い付きで喋っただけなので、自信が無くなってきた)
司会
「・・・じゃあ対談を続けるわね★ 二人とも役者さんだけれど、お芝居をするに当たって、いつも苦労していることは何かしら?」
アイリス
「ん〜・・・。お兄ちゃんとなかなかデートできなくなることかな」
化粧の濃い女
「子供はいいわねえ。幸せで」
アイリス
「アイリス、子供じゃないもん!」
司会
(また少し部屋の中が暗くなってきたような気がする)「・・・」
化粧の濃い女
「なに? 蛍光灯ぐらいちゃんと替えてよね。あたしはチケットのノルマ。もう大変でさあ・・・。(急に愛想良くなって)そうだ、お嬢ちゃんもチケット買わない? 実は最前列のスペシャルシートが2枚あるのよー。どう? そのお兄ちゃんとやらと一緒に」
アイリス
(顔を輝かせて)「え、本当ー? 買うー」
化粧の濃い女
「はい、じゃあ2枚で八千円」(チケットを渡す)
アイリス
(黄色いお財布を開けて)「あ、アイリス、フランス人だからフランしか持ってないんだった。フランでいい?」
化粧の濃い女
「フラン? 仕方無いわねえ・・・。でも買ってくれるんなら、まあいいわ」
アイリス
「わ〜い☆」(紙幣を手渡す)
司会
「今年からユーロの使用が始まったから、フランはもう使えないのに。いいのお? 化粧の濃い女」
化粧の濃い女
「・・・・・・」
アイリス
「・・・・・・」(しまった、という顔)
化粧の濃い女
(ドスを利かせた声になって)「お嬢ちゃん、どういうことかしらー・・・!?」
アイリス
(羽交い締めにされ、こめかみをグリグリされる)「いやあー、痛いー! 痛いよー!」
化粧の濃い女
「大人をなめるとどういうことになるか、教えてあげる★」
アイリス
「うわあぁーん!」
司会
「あらあら、泣かしちゃった★」
アイリス
「アイリス、悪くないもんー!」
化粧の濃い女
(突然、真っ暗になる)「・・・!?」
アイリス
「いやあー! アイリス、怖いー! 痛いー!」
司会
「まさか・・・」
ガイア
(スポットライトの光に照らされ登場)「私の名はガイア」
化粧の濃い女
「な、なあにー? あんた」
アイリス
「アイリス、怖いー!」
司会
(クラギャン風に戻って)「彼女の名はガイア。生命の源でり、時間そのものよ★ どうやらまた誰か連れていかれるみたいね」
化粧の濃い女
「連れていくって、どこへ?」
司会
「現在、過去、未来★」
ガイア
「さあ、共に参りましょう、化粧の濃い女」
化粧の濃い女
「ちょ、ちょっと何の冗談よ」
ガイア
「化粧の濃い女。あなたは意識と無意識のうちに、アイリスの理に気付いてしまいました」
アイリス
「アイリスの理?」
ガイア
「アイリスは子供ではないし、アイリスは悪くないのです」
アイリス
「あ、お姉ちゃんもそう思う? きゃは☆」
司会
「向こうに着いたら、ありなさんによろしくね、化粧の濃い女」
化粧の濃い女
「はあ!? この子、てんで子供だし、あたしを騙そうとしたのよ。悪いじゃない!」
ガイア
「でも子供ではないし、悪くはないのです。それがアイリスの理です。そういうことになっているのです。では参りましょう、化粧の濃い女」
化粧の濃い女
「ちょっと、いやあああ!」
司会
「行ってらっしゃい★」
アイリス
「悪い女には気を付けるのよー★」
化粧の濃い女
「それ、あたしの台詞ー・・・・・・・」(消えるスポットライト)
司会
(部屋に明かりが戻る。化粧の濃い女の姿も、ガイアの姿も無い)「ああん、また今回も対談にならなかったわね。東京ばな奈。このままでいいのお?」
アイリス
「じゃ、アイリス、そろそろ大帝国劇場に帰るね。バイバーイ☆」(可愛らしく手を振り、立ち去る)
司会
「さて次回はエナケン・スペシャルよ★ スリのシン子、浜ちどり、クーニャンの三人でお送りするわ。どうなっちゃうのかしら、待ち切れないわね★」(言い終わってから、ふとテーブルの上のアンパン二つに視線を落とす。徐に胸の中に入れる久美さん)





 
 
第3回
スリのシン子
(「スチャラパイのギッチョンチョン」より)
×
浜ちどり
(「北北東に進路をとれ」より)
×
クーニャン
(「エナケン・ファイナル」より)



司会
「はい、ぷぷっぴどぅー☆ 東京ばな奈、ふっか〜つっ! 第3回はエナケン・スペシャル。司会を務めますはクーニャンです、ぷぷっぴどぅ?」
ちどり
「あれ? 西原さんはどうなさったの? 司会はあなたなの?」
クーニャン
「くみたんはお仕事で忙しいそうです、ぷぷっぴどぅ☆ 司会は・・・」
ちどり
(眉をひそめて)「くみたん?」
クーニャン
「現代ではそう呼ぶのが流行りなんです、ぷぷっぴどぅ? あなたはちどりたん。そっちで花札を配ってる人はシン子たんです」
シン子
「よろしくね」
ちどり
「あ、私、ちどりと申しますの。ちどり・浜と言うペンネームで小説を書いてます」
シン子
「あー、吉本興業の」
ちどり
「・・・・・・」
シン子
「・・・・・・」(何かを期待するかのように、ちどりを見つめている)
クーニャン
「・・・・・・」(上に同じ)
ちどり
「・・・やりませんわよ」
シン子
「サービス精神が足りないねえ」(言いながら山札から一枚、取る)
クーニャン
「お酒が入ってないから? ぷぷっぴどぅ?」
ちどり
「そんなことより、どうして司会があなたな訳?」
クーニャン
「エナケン・シリーズの3人の中で唯一、生きてるキャラだからです、ぷぷっぴどぅ☆」
ちどり
「え? あなた、死人じゃないの? 牛魔王に操られて・・・」
クーニャン
「いいえ、あれはお芝居の中での話なのです。エナケン一座の一人、と言うのが正体です。ぷぷっぴどぅなんて普段は言わないんですよ。ひひひひひひっ」(口元に両手を当ててケタケタ笑う)
ちどり
(ぞっとしながら)「あ、あたしだって生きてますわ」
シン子
「竜巻に巻き込まれたんだろ」
ちどり
「大海原を漂流中に奥野細道さんと偶然、再会して本土に帰り着いたんですわ。そしてあたしは、その体験を元に小説を書き下ろし、見事ピュリッツァー賞を獲得! 翌年には奥野さんと結婚して、結婚式には何とサラフレッド・チックタックさんまで来てくれてね。ブーケは房江さんが受け止めたんですの」
クーニャン
「ぷぷっぴどぅ・・・」(手を合わせて拝んでいる)
シン子
「人生ってのはままならないもんだねえ・・・」(言いながら札を一枚、場に捨てる)
ちどり
「だからあたしはまだ生きてますって! それに少なくとも、あたしの方があなたより生きていると思われてますわ」
クーニャン
「まあまあ、東京ばな奈でもお一つぷぷっぴどぅ?」(ガラスの器を差し出す)
ちどり
「・・・空っぽ」
シン子
(袖から東京ばな奈を取り出して食べながら)「ま、同じ死人同士、仲良くしようじゃないか」
ちどり
「いつの間に・・・。さすがスリね」
クーニャン
「クーニャンたんの3分間クッキングー!」(天井からガラスの器が下りてくる)
シン子
「今じゃあたしたちのこと、負け組と言うらしいねえ」
クーニャン
(ガラスの器を受け止め損ねて頭をぶつける)「あ、痛っ!」
ちどり
「あたしは勝ち組! ベストセラー作家なの。今日だって締め切り前だってのを抜け出してきたんだから」
クーニャン
「エナケン・シリーズじゃ、みんなレギュラーになれませんでしたし・・・。ぷぷっぴどぅ?」(ちどりの前にガラスの器を置く)
ちどり
「ま、まあ、それはほら、歌謡ショウもあったから」
シン子
「大体、ほら、くみたん、ディナーショウやら新春公演やらで忙しいから、司会に来られないんだろ?」
ちどり
「そう思うと、どうして今頃になってあたしたち対談なのかしら」
クーニャン
「この対談を文章に起こす人が、そろそろ何か更新しないとまずいと思ったらしいのです。ぷぷっぴどぅ?」
シン子
(ブラを手に下げながら)「大人の事情をばらすもんじゃないよ」
ちどり
「・・・何だかあなたの胸、だいぶ小さくなってるようだけど?」
クーニャン
「ぷ、ぷぷっぴどぅー!」
ちどり
(冷や汗を垂らしつつ)「ところでこの対談のテーマって何なの?」
クーニャン
「ぷぷっぴどぅ・・・。くみたん直伝のあたしの胸が・・・。あ、対談のテーマは『あなたにとっての幸せの青い鳥とは?』です、ぷぷっぴどぅ?」
シン子
「難しい質問だねえ。そうだねえ・・・あたしは気心の知れた仲間と楽しく笑い合ってる時が一番、幸せかなあ。青短」
ちどり
「この人さっきから誰と花札してるのかしら?」(東京ばな奈を1つ手に取る)
クーニャン
「あたしは人間を食ってる時が一番、幸せー、ぷぷっぴどぅ? なんて、本当はエナケン一座でお芝居してる時が最高にぷぷっぴどぅ☆です」
シン子
「あの時、見たエナケンの芝居は良かったねえ。あの坊やが頑張ったもんだよ。こいこい!」
クーニャン
「ちどりたんは? ぷぷっぴどぅ?」
ちどり
「あ、あたしは小説家の仕事と旦那様の奥野さんが、あたしにとっての青い鳥ですわ」
シン子
「仕事と家庭、両立してるんだ。死んだってのに偉いねえ」
ちどり
「死んでるのはあなたよ! ・・・そう言えばどうして死んだ人とあたし、お話してるのかしら?」(と、不意に周囲が真っ暗になる)
シン子
「あら?」
クーニャン
「ぷ、ぷぷっぴどぅ・・・この展開は・・・」
ガイア
(スポットライトの光に照らされ登場)「私の名はガイア」
ちどり
「に、西原さん?」
ガイア
「そろそろあなたが居るべき世界に帰る時間ですよ、吉本興業の方」
ちどり
「ごめんくさいこれまたくさい! 君たちがいて僕がいる」
クーニャン
「おおー」(拍手する)
シン子
「へー、ビデオと同じだー」
ガイア
「そこまでやるとは思いませんでした。では参りましょう、ちどりたん」
ちどり
「参りましょう、ってあたし、死んでないわよ。死んじゃったのはこの人、シン子さんよ!」
ガイア
「人を指差してはいけません。さあ戻りましょう、あなたが居るべき世界へ」
ちどり
「きゃあ! 何これ! 虫!?」(持っていた東京ばな奈を放り投げる)
クーニャン
「ひひひひひひひっ」(ガラスの器を持ってけたけた笑う)
シン子
「また会おうね、お嬢ちゃん!」
クーニャン
「ぷぷっぴどぅー☆」(手を振る)
ガイア
「ではまた次回、お会いしましょう」(消えるスポットライト)
ちどり
「ちょっと! あたしが死んだってのなら、シン子さんも連れていってよ! きゃあーーー!」
クーニャン
「では皆さん、ご機嫌ようー。次回はお待ちかね、アリス・イン・ワンダーランドの再演と再々演から、二人のアリスちゃんが登場ー! ぷぷっぴどぅ☆」
シン子
「・・・キャッチボールしようか、タクアン和尚」(真っ暗な虚空を見つめながら)

 

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