サクラ大戦スーパー歌謡ショウ
「新・青い鳥」
◎◎◎久美さんのよかった探し表◎◎◎



遂に劇中劇でアイリスが主役となった
スーパー歌謡ショウ「新・青い鳥」。
アイリスの出番一つ一つをピックアップして、
レポートと感想など交えつつ
久美さんによかったシールを差し上げたいと思います。

「よかった探し表」と「よかったシール」は
小説「イリヤの空、UFOの夏」からのネタです(笑)。
同じ夏のお話なのです。
探すまでも無いですが、久美さんのよかった探しです。



★オープニング・レビュウ★



よかったシール10枚.「新・青い鳥」でのレビュウ

 いつものレビュウ衣装を着ての華やかなレビュウではなく、いきなり劇中劇の世界から!
 劇中劇の衣装に身を包んだキャラクターたち(花組が演じる主要キャラ&道化たち&青い鳥たち)が、「希望 〜新・青い鳥〜」が荘厳にアレンジされた感じの曲、「レビュウ 〜新・青い鳥〜」で繰り広げられるレビュウでした。
 張り出し舞台中央、下からせり上がってくる背中合わせのミチルとチルチルの姿は、鳥肌もの。「新・青い鳥」のキャラクターたちと踊るミチルたちの姿は幻想的で、本当にこの世のものとは思えないほどでした……。
 『た〜くさ〜んのー台詞と歌と踊りーに〜♪』
 チルチルと手を繋ぎながら、前に出てくるミチル。輝くような笑顔で歌う、アイリスのソロ第一声です。
 そしてラジオ「広井王子のマル天ミックス」で久美さんがおっしゃっていた、迷惑を掛けたくないので体重を〜発言はこのシーンからでした。
 『だーけどー、何故ーだろうー、現実はー不安だらけー……♪』
 道化の一人の肩の上で抱き上げられ、メロディを歌い上げるミチルの姿。鳥肌が立ち、気持ちが更に一段階、盛り上がる瞬間でした。
 青い鳥(さくら)が張り出し舞台にせり上がってくる直前、腰を屈めて左手を広げ、右手で皆としー、とやる姿も引き込まれるものがありました。


よかったシール9枚.サプライズ

 このレビュウ自体、サプライズですが、更に大きなサプライズがありました。青い鳥が客席を巡り、一人のお客さんを何と舞台上に上げてしまうのです。青い鳥に導かれ、ミチルとチルチルに両の手を繋がれ、舞台中央へ……。そしてレビュウはクライマックスへ。華々しく幕が閉じます。
 長年、歌謡ショウに通ってきた身としては、羨ましさも勿論ありますが、まさかあの夢の舞台の上に、と言う気持ちが凄い分かると言うか、気持ちを共有しているような気がするので、上げられたお客さんの反応を見るのはなかなか楽しいものがあります。
 その際、チルチルと一緒にお客さんを誘導するミチルの優しい笑顔。お客さんに向ける笑顔が、物凄く素敵でした。こんな優しい笑顔、久美さんにしかできません。惚れ直します。



★一幕★



よかったシール7枚.さくらと銀座散策

 『混んでたねー、地下鉄!』
 さくらの後に続いて、張り出し舞台の下から上がってくるアイリス。いつもの夏服に、背にはジャンポール、肩にはやはりジャンポールのポシェット。
 ガイドブックを持っていないと、銀座を歩けないさくら。それをからかうアイリスが、何とも心をくすぐる可愛さがありました。
 『さーくらー、ガイドブック見ないとま〜だ銀座わかんないんだ〜!』
 さくらの手からガイドブックを取り上げます。
 『アイリスは平気だよ! だってねー、巴里はもっと広いも〜ん』
 くるりと一回転するアイリス。相変わらずの元気全開の可愛さに、もう既にノックアウトです。
 『ねっ、さくらのいた仙台って王様がいたんでしょ?』
 昔はお城があってお殿様がいたこと、さくらの話に、アイリスは大喜び。
 『素敵ー!』
 うっとりとして、声を上げるアイリス。ぱあっと輝く笑顔が眩しかったです。


よかったシール9枚.アイリス、日本人になる!?

 上記のシーンの続きになりますが、アイリスが「明治維新」を「明治ミシン」と言い間違え、さくらに指摘されてしまうところから。
 『あ、知ってる。日本にもフランス革命みたいのがあったんでしょ』
 『明治みしん!』
 かたかたかた〜、とさくらにミシンの真似をされ、
 『いーしーんー!』
 半泣きになってへこむアイリスも、吸引力を持つ可愛さでしたが、凄いのはこの後です。さくらに、アイリス、お勉強してるね、と誉められて。
 『うん! アイリスね、日本人になるの!』
 さくらの真ん前で笑顔、堂々宣言するアイリス(笑)。日本語がちゃんと喋れるようになれば日本人になれると、マリアが教えてくれたと言います。
 『だからアイリス、ちゃんと日本語が喋れるように……なりたいので、ござりますっ』
 一語一語、確かめるように、たどたどしい口調で。
 『ああっ! アイリスはお買い物がしたいんでござりますー』
 駆け出して、身体を翻し、満面の笑顔で言います。
 『さくらは何が欲しいんでござります?』
 言いながら、小首を傾げるアイリス。
 変てこな語尾を付けて喋ってみせるアイリスが、もう超絶的に可愛かったでした。
 有り得ない可愛らしさです。今までだって、失神しそうになるくらい可愛い場面を見せてきてくれたアイリス。だと言うのに、まだやってくれますか、と言う感じでござります。
 因みに初日2回目の場内アナウンスがアイリスだったのですが、ここでも「ござります」口調が炸裂して、可愛さと笑いを誘っていましたでござります。


よかったシール8枚.欲しいものは何ですか?

 さくらは何が欲しいんでござります?
 アイリスの問いに、私は何が欲しいんだろうと考えてしまうさくら。
 『じゃ探しに行こっ!』
 お買い物をしに、アイリスが街へと駆け出すと、歌のシーンになります。歌謡全集には収録されていない、隠しナンバーです。アップテンポの胸躍る明るい曲、「欲望の街」。花組メンバーが入れ替わり立ち替わり出てきて、それぞれ歌詞を歌い上げます。
 『欲しいものはー何ですかー♪』
 『素敵なドレスに髪ー飾りー♪』
 『あれも欲しいっ、これも欲しいっ♪』
 『迷〜ってしーまーう〜♪』
 アイリスは舞台中央のセット、肖像画の中から顔を出して、さくらと一緒に歌い、一旦、はけます。
 そして、カンナ&織姫、が入れ替わって歌った後、中盤は舞台下手側で、吊り革に捕まってバスに揺られる仕草をモチーフにした振りをしていました。
 このダンスは秀逸だったと思います。くるくると変わる表情と躍動的な動きが、瞼の裏に焼き付いています。さすが花組メンバーの中でも、トップクラスに踊れる人です。


よかったシール7枚.「新・青い鳥」の本読み

 花組6人で横一列に椅子に座り、「新・青い鳥」の本読みです。
 銀座で買ってきたクマの絵柄の小さなバッグを、ずっと膝に乗せたままで本読みするアイリスが何気に可愛かったです。
 本読みを始める前に、織姫がそれに気付きます。
 『銀座で買ってきたのー』
 可愛いーと誉められ、
 『でっしょー!』
 と、心底、嬉しげにアイリス。そして、
 『さくらは何が欲しいか分かんないんだって』
 と、無邪気に言います。
 アイリスはこの後、すみれが陣中見舞いにやって来て残した厳しい言葉から起きた、花組が見失っているものって何だろう? と言う疑問が最後まで引っ掛かることになるのですが、今はとっても楽しい、と言う現状をはっきりと自ら体現している、上手な一連の演技だったと思います。
 『ねえーチルチルお兄ちゃんー。本当は青い鳥なんて、いないんじゃないのー?』
 本読みに入ってからは、これは他のメンバーもそうですが、役に入りつつも、本気の演技ではない匙加減がまた上手です。
 因みに3人娘がゲストの日は、彼女らが差し入れを持って現れるのですが、由里さんとアイリスが手を取り合って再会を喜ぶ一幕がありました。3人娘の中では由里さんがお気に入りなので、ちょっと嬉しい場面でした。


よかったシール8枚.苦労なのっ!?

 と、本読み中、紐育へ行っている紅蘭からキネマトロン通信が入ります。
 アイリスがキネマトロンに向かって呼び掛けます。
 『もしもーし、紅蘭ー! もっしもーしっ!』
 背を向けて、両手を使って身体全体を使って呼ぶ仕草がまた可愛いです。何でもないような場面でも、とことん自然に子供な姿。最早、久美さんのアイリスにとっては当たり前のことですが、やはり素晴らしいです。
 通信の中で、「サクラ大戦V」の大河新次郎が登場。女性ばかりの歌劇団をまとめるのは大変、と言う話になり、一郎叔父も苦労なさったのですか? と言う問いに大神が頷いたものだから、さあ大変(笑)。
 アイリスを筆頭に、両脇にカンナと織姫で大神に詰め寄ります。
 『苦労なのっ! 苦労なのっ! 苦労なのっ! 苦労なのっ!』
 顎をつんと上げ、ふくれっ面で両腕を後ろに振りながら迫っていくアイリスが非常に可愛く、且つ面白かったです。
 紅蘭に大神はんを余り苛めないでやと突っ込まれて、へへー、と言う感じで笑ってみせるアイリスも可愛いです。


よかったシール9枚.見失ったもの探し

 上記のシーンからの続きになります。陣中見舞いにすみれがやって来ます。すみれー、と飛び跳ねて喜ぶ姿や、ぺたんと座ってマスカット(すみれが持ってきた果物のバスケット)を食べているところも見逃せない可愛さでした。
 すみれは、最近の花組はおかしいと告げます。花組が何かを見失っているのではないか、とすみれは言いたかったのではないか? さくらは気にし出します。
 アイリスは舞台前方に歩いてきつつ、考えます。
 『みんなといると楽しいでしょうー。お稽古も段々、楽しくなってきたし、お休みの日に浅草とか銀座に出かけるのも楽しいしー。……見失ったものなんて、無いよねえ?』
 首をちょこんと可愛らしく傾げます。それで本当にいいの? と観ている側にちゃんと疑問符を抱かせる台詞回しだったと思います。
 紗幕が降りてきて、アイリス一人だけのシーンになります。
 『そうだ!』(言う回と言わない回あり)
 可愛らしいBGMが流れる中、アイリスはジャンポールのバッグからリボンの付いた黄色い虫眼鏡を取り出します。
 『あなたは、見失ったものですか?』
 升席のお客さんに、虫眼鏡を近付けるアイリス。たどたどしい口調で舌足らずに喋ってみせるところが、たまらなく可愛かったです。「ござりますか」もそうですが、ベストに可愛いポイントを上手く突いてくる久美さんです。勘所が素晴らしいです。
 16日の公演では「すみれ組」の法被を着たお客さんに声を掛けていました。
 『あなたは見失ったもの知ってますか? すみれ組だから知ってるよね』
 サービス精神豊富なアドリブきかせる久美さんでした。
 続いて上手より登場する、すっかりレギュラーのまさおくんにも虫眼鏡を近付けてみるアイリスですが、これは吠えられてしまい(笑)、
 『怖いー!』
 と、うずくまってしまいます。因みに中日からは、大口開けたまさおくんの口を観察する芝居に変わっていました(笑)。
 『あ、虫歯』(16日)
 『虫歯だらけ〜!』(17日)
 『ノリついてる』(18日)
 『そうだ!』と言って、ポシェットからお饅頭(?)を取り出し、無理やり食べさせるアイリス。(19日)
 千秋楽は、まさおくんに吠えられて、
 『怖いー!』
 と逃げるのですが、そのまま追い掛け回されてしまうアイリス(笑)。と、不意にまさおくんからお花を渡されて、
 『ありがとー! あ、そうだ』
 『あーん』
 お花を一旦、下に置いて、アイリスはポシェットからドラヤキを取り出し、まさおくんの口に押し込み始めます(笑)。
 『おいしい? じゃもう1個』
 と言って、2個目を取り出して押し込むアイリス。既にこぼしているまさおくん(笑)に、更に3個目も押し込もうとするのですが、さすがに逃げられてしまいます。
 『おいしいのにー』
 普通に残念がっているアイリスがとても面白かったです。
 そしてこの後は武田が登場するのですが、その3個目のドラヤキをアイリスは食べさせようとします。相手が武田だけに、やはりここだけは打ち合わせ無し(?)。
 『あーん。あーん』
 しつこく迫るアイリスに、しぶしぶ食べる武田ですが、喋れないので、一旦はけてドラヤキを捨てます。
 そしてこの後、二人は芝居が飛んでしまいます(笑)。元々、突発的な事態に弱い二人です。
 『どうするんだっけ?』
 みたいなことを言って、困ったように笑う二人が可笑しかったです、仕掛けたアイリスも自爆してしまいました(笑)。
 まさおくんがいなくなった後は、張り出し舞台の前の、最前列のお客さんにも虫眼鏡を向けます。
 『見失ったもの、知ってる? 知ってる?』
 声を掛けられたお客さんがとっても羨ましいシーンです。でも尋ねるアイリスがやっぱり、超可愛いのです。


よかったシール9枚.アイリスのお願い

 上記のシーンの続きですが、ここへ武田が登場。
 『あー、ベロー! 服、新調したんだ〜!』
 武田が新しいシャツを着ていることに気付いた、アイリスが言う一言が凄かったです(笑)。
 『えー似合わなーい!』
 輝くような笑顔ですっぱりはっきり言うところが、最高に面白かったです。
 『うっそー!』
 身体を曲げて跳ねるようにして言うアイリスは、胸がきゅんと来る可愛さでした。
 そしてサービスシーン! 見失ったもの探しを一緒にしてほしいと、アイリスは武田に頼むのですが、けんもほろろ。そんな武田にアイリスは3連続攻撃(笑)。
 『おーねーがいっ!』
 両手を掴んでぶんぶん回し、
 『お〜ね〜が〜い〜っ!』
 スカートを翻らせてぐるりと一回転し、そして止め。
 『おねがいっ(はぁと)
 小首を傾げて人差し指は口元、太股をぴったりとくっつけて右足の爪先を立てて、甘えた声で一言(効果音&照明付き)。面白さと可愛さに溢れた、アイリスの最高の見せ場の一つでした。千秋楽と合わせて2回ほど、ポーズがちょっとだけ違うこともありました。
 そして更に今度は川岡刑事が登場。直ぐ様、彼の独壇場が始まり(笑)、自分がここで何をしているのか聞きたいかい? とアイリスに聞いてきます。
 『どうする?』
 と、近くにいたお客さんに聞いてみるアイリス。別に、とあっさり拒否した回もありました(笑)。
 また中日の公演からは、
 『千代大海?』(16日)
 『運動会?』(17日)
 『地中海?』(18日)
 『黄色いかい? アイリス、黄色いよ』(19日)
 と返して、川岡に腕を上げたなと誉められるやり取りが加えられました。
 犯罪を未然に防ぐため、怪しいものを探していた川岡が持つ風水羅針盤が地下を指し示します。
 『地下には薔薇組がいるよ』
 と言うアイリスの言葉に、薔薇組を怪しいと決め付け、地下へと向かう川岡。
 『アイリスも行くー!』
 脳天気に声を上げるアイリスがとっても可愛かったです。そんなこんなで彼に続いてアイリスたちも地下へ。
 千秋楽では、地下へ行こうとする川岡が差し出す手にアイリスが重ね合わせ(いつもは無視される)、
 『二人だけで行こー!』
 と、武田を置いていこうとしていました(笑)。


よかったシール10枚.根来幻夜斎との遭遇

 冗談みたいな振りで地下へとやって来たアイリスたちですが、とんでもないものと出くわしてしまいます。
 帝都を混乱に陥れようとしている、根来幻夜斎と忍者たち根来衆。
 馬鹿なことを口走っている間に(笑)、あっと言う間にハエにされてしまう川岡。千秋楽では幻夜斎が川岡を呼び付けて説教する一幕があり、その間、アイリスは上で笑っていました。
 飛び出そうとする武田をアイリスが叫んで制します。
 『行っちゃ駄目!』
 『あいつ……凄く……強い……霊力』
 引き絞るような声で戦慄するアイリス。非常に迫力ある演技で、根来幻夜斎の強さを観ている人にしっかりと伝えています。
 向こうもアイリスが霊力を持っていると気付き、何者だ? と尋ねてきます。アイリスちゃんどえーす! と叫ぶ武田を幻夜斎はうるさい、と一蹴(笑)。
 怒って飛び出す武田。小さく悲鳴を上げて飛び出すアイリス。
 激しい火花と共に武田は倒れ伏してしまいます(ハエになっただけですが・笑)。
 『ベロー!』
 と、アイリスの絶叫が響き渡ります。武田の元へと駆け寄り、
 『アイリス……怒ったからね……』
 低い声で唸り、顔を上げます。鬼気迫る、物語も気持ちも盛り上がる、強烈な久美さんの演技でした。
 『絶対……許さないんだからー!』
 絶叫し、襲い掛かってくる根来衆をかわし、アイリスは霊力を全解放。火花と激しい煙と共にアイリスは姿を消します。
 アイリスの最大の見せ場の一つでした。


よかったシール6枚.アイリスが危ない!

 霊力を使い果たし、ぐったりとした姿で戻ってきたアイリスは、地下の医療ポッドに寝かされます。
 医療ポッドですので勿論、裸ですが、心が汚れた人にはいつもの夏服姿のアイリスが見えたことでしょう(笑)。  このシーンでのアイリスは勿論、台詞は無く眠ったままですが、花組全員で「可憐な花よ、強い花よ」が歌われ、明るい笑顔で動き回るアイリスの姿が自然と思い浮かんだり、根来衆の襲撃から花組がアイリスを必死に守る、燃える場面があったりと、胸が熱くなる良いシーンでした。
 久美さん一休みのシーン? でも回りで殺陣が展開されている中で、目をつぶってじっとしているのって、中々、怖いかもしれません。


よかったシール9枚.アイリス、おとりになる!

 根来衆の襲撃から帝劇も立ち直り、アイリスも復活。
 かえでさん(一度だけレニ)に付き添われてやって来たアイリスは、花組のみんなにぺこりと頭を下げます。
 『迷惑かけてごめんなさいっ』
 これは胸が締め付けられる可愛さでした。
 身体を気遣ってくるマリアに、アイリスは軽く首を傾げつつ、軽めの口調でこう答えます。
 『でも、何かちょっと忘れてる気がする』
 川岡や武田と一緒に地下に入ったことを、どうやら忘れている様子です。
 そして大神の作戦で、花組は上野の寛永寺へ向かいます。アイリスをおとりにし、根来幻夜斎を誘い出そうとする作戦です。
 お祭りで賑わう中、人々にさくらがアイリスを紹介します。
 花の入った篭を腕に下げ、緊張気味のアイリス。周囲をきょろきょろ見回しながら、引きつった笑顔を浮かべます。これは今までに無かったタイプの演技だったと思います。新鮮味を感じる、とても面白いものでした。
 そしてCDには収録されていない隠しナンバー、「花を飾ろう」。
 『晴〜れの日も、あ〜めの日も。花を、飾ろう、心の中に。笑顔ーの花を〜♪』
 可愛らしく清らかなメロディで、正にアイリスにぴったりの曲です。
 『にこにこにっこにこ、にこにこにっこにこ♪』
 お祭りに集まった人々にお花を配るアイリスとさくら。2番は二人で歌います。
 そしてアイリスに襲い掛かる根来幻夜斎。戦闘開始です。
 アイリスはレニに連れられながら逃げ惑います。が、やがて根来衆に迫られる二人。大神の助けを得つつ、
 『ピンチだパ〜ンチっ! チャンスだキ〜ックっ!』
 と、アイリスは根来衆二人にクリティカル・ヒット。キックする時の、内股になっての膝蹴りがとっても可愛らしかったです。
 そして、さくらと切り結ぶ根来幻夜斎。斬られても立ち上がってくるその姿に、彼が人間ではないことが判明します。
 そして幕。



★休憩★



よかったシール8枚.さくらと3分間ショッピング

 今回は紅蘭の代わりに3分間ショッピングにアイリスが登場。おいしいです。ちゃんちゃらちゃっちゃっちゃーの効果音も、アイリス風にアレンジされていました(笑)。
 紹介されたのは、「新・青い鳥 クールグラス」と「帝国歌劇団 トランプ」でした。
 面白かったのは、気になるお値段をアイリスが言うところ。
 『はいー、このー、不思議な新・青い鳥 クールグラスー、1個ー、何と1000円!』
 紅蘭を真似しているのでしょうが、おかしなイントネーションで何だかもう別なものになっています。が、これが抜群に面白かったです。
 因みに19日公演では、クールグラスが完売したので、希望のオルゴールを代わりに取り入れていました。
 トランプの微妙な値段、客席からの掛け声にあたふたしつつ、
 『よろしくお願いします』
 舌足らずだけれど早口に、そんな感じで懸命に頭を下げるアイリスがまた技有りな可愛さでした。
 去り際の日替わりネタも恒例ですが、今回は、
 『アイリスね、また新しい日本語を覚えたんだよ』
 で、さくらが尋ねると……。
初日昼:『やぶさかではない』
初日夜:『取り敢えず、生!』
14昼:『指圧の心は母心。お小遣い10円』
14夜:『ヒアルオン酸でお肌が10歳、若返る』
  →10歳じゃ赤ん坊になっちゃうわね、と返すさくら。
16日:『三人娘、萌え萌えー!』
  →キター、とさくら(笑)。
17日:『他店より1円でも高い場合はお申し付け下さい』
18日:『脂肪燃焼系』
  →さくらと一緒に、『したいよねー』
19日:『焼酎は、やっぱり芋』
千秋楽:『おねえさん、おあいそー』
  →アイリス、ごちそうさまー、とさくらに言われ、
   『えー、そういう意味なのー』と逃げるアイリス。



 
 
★二幕★



よかったシール10枚.アイリスとレニの衣装整理

 『親方、まーた怒鳴ってるねー』
 親方が広井を探して怒鳴っている場面を受けての台詞です。が、千秋楽では広井が実際に出てきたことで、いつもの台詞が訳分からない感じになって、
 『親方、まーた訳分かんなくなってるねー』
 と、変えていました。今回は花組メンバーの中では、アイリスが一番、千秋楽ネタをやっていたと思います。少年レッドの衣装を合わせつつ、鼻に指を当てて、紅蘭の真似して少年レッドの歌も歌っていました。今回は残念ながら出演していない、紅蘭のネタを入れるところがまたニクイです。
 『楽しいね、毎日』
 衣装部屋で衣装を整理しているアイリスとレニ。ぺたんと座って、色々な衣装を自分に当ててみるアイリスがとっても可愛面白いです。トランプの騎士の衣装を当ててみたり、猿の衣装を当ててみたり、赤ワニの頭部を乗せて口をぱくぱくさせたり(笑)。この辺は毎回、違っていて、お客さんの笑いを誘っていました。
 そして、「新・青い鳥」に向けて、二人、頑張ろうと心を交わすシーン。胸がじーんと来る、本当に良い場面でした。
 『アイリスも……必要?』
 不安は無く、レニの表情を窺うようにして尋ねるアイリス。頷くレニに、アイリスは嬉しさいっぱいの笑顔を浮かべます。
 『お芝居って……相手の表情や息を受け取るんだよねえ』
 仲良しな兄妹になろう。言うレニに、アイリスは輝くような笑顔で答えます。
 『チルチルの大好きなミチルになるね』
 すると、手を差し出してくるレニ。それにアイリスは手を重ねようと差し出すのですが、ぱっとかわされ、頭に手をのっけられてしまいます。
 『あ』
 可愛過ぎるくらいに可愛くて、心があったかくなる、二幕の名シーンでした。
 『もう……』
 半ば呟くような声で言って、笑うアイリス。胸がきゅんと来る姿です。
 以後、二人は仲良く衣装の整理をしつつ、衣装を互いに当てて遊びます。スポットライトは外されますが、二人の芝居は続きます。ここは目の離せない見所。テンガロンハットをくるりと回して被る仕草をするレニをアイリスが真似てみたり、貴婦人が被る帽子を互いに被せてみたりと、笑い合うアイリスとレニ。
 正に仲良しな二人になっているこの場面を観ていると、三幕が殊更に感動的なものに……。面白いと同時に、心があったかくなるシーンでした。


よかったシール9枚.アイリスとハエ

 上記のシーンの続き。花組の気持ちが一つに収束していく、全員で歌う隠しナンバーが流れます。しっとりとした、静かだけれど心が熱くなるメロディでした。
 『らららら……今、私はー、ここに生きてーいるー♪』
 アイリスは衣装部屋のところに座りながら歌い、やがて階段を降りて皆と温かい視線を向け合いながら、素敵なハーモニーを聴かせてくれました。
 と、そんな良いシーンのところに突然、二匹のハエが乱入してきます。勿論、いち早く気付いたのはアイリスでした。
 『駄目ー!』
 川岡の方のハエを手に乗せながら、ハエを潰そうとするカンナを制止します。が、あっさり潰されてしまいます。
 『あ゛ー!! それ……ベロだよー!?』
 絶叫するアイリス。そしてアイリスは思い出します。
 『それでこっちが川岡刑事……!』
 大きく頷くように上下するハエ。
 『そうだよ。あの時、二人も一緒にいたんだ! それでハエにされたんだ〜!』
 低めの声で熱中するように、早口めで喋ります。
 『思い出したー!』
 泣き声混じりにアイリスは叫びます。声のトーンや抑揚、表情がテンポ良く変わり、コミカルだけれど物語が急展開していく、そんな効果を持った、見事な演技だったと思います。
 潰されてしまった武田(笑)を何とか助けようと、視線は自然と治癒能力を持つアイリスに。
 『分かんないっ、ハエ治したこと無いもん〜!』
 切羽詰った声でそう言い、アイリスはあたふたと身体を震わせます。
 そしてレニから懇願されるアイリス。
 『じゃ、やってみる!』
 武田の元へと向かい、屈み込み、ハエを両手に包みます。アイリスの顔は見えない状態です。
 そして知る人ぞ知るあの呪文が炸裂!(笑)
 『アイリスちゃんは可愛い……ちっちゃくて可愛い……でっかく見えるのは気のせいだ!』
 「つばさ」以来の、懐かしの呪文です。一旦は治るものの、ハエだから霊力が効かないのか、直ぐに弱ってしまう武田。
 千秋楽はアイリス、この呪文を変えて……こようとしていました。何故、変えてきました、と書かないかと言うと(笑)、
 『アイリスちゃんは可愛い……』
 ここまでは普通です。でもその後、妙な間があり、
 『……。ちっちゃい。可愛い。でっかくない』
 と、無理やり台詞が絞り出されたような感じで、呪文が暴発してしまいました(笑)。多分、ネタを言おう言おうとして忘れてしまったのか、何とかいつもの台詞に戻そうとしたのだろうと思います。
 久美さんが何をやりたかったのかは謎ですが、自分はこのおかしな呪文(正しいと言えば正しい呪文)がツボにはまってしまい、じわじわと面白さが込み上げてきて、後に続くシリアスなシーンで笑いを堪えるのが大変でした(笑)。
 呪文の後、織姫に抱き付いていたのは、失敗しちゃったよー、と言うことでしょう。
 さて、根来幻夜斎を倒せば元に戻るのではと、指摘するさくら。すると、ハエたちはアイリスに訴え掛けます。
 『なになに? 敵の居場所を知らせてくれるの?』
 『二人が案内してくれるって』
 交互に手の平に乗ってくるハエの言葉を、アイリスが翻訳します。片っぽがアイリスの頭の上にのっかっているのが、何ともシュールで面白い光景でした。
 そしていざ、根来幻夜斎の元へ!


よかったシール8枚.待ってました!

 日本橋を制圧しようとする根来衆。そこへ、大神のお待ちなさい! と言う声が掛かり、幕が取り払われ、歌謡ショウの醍醐味、口上のシーンです。
 今回のアイリスの口上はけれん味のあるものではなくて、普段の口調でストレートなことを言ってくる、可愛らしく胸がきゅんと来るものでした。
 『誰かを傷付けたり、弱いもの苛めしたりしちゃ駄目だよ。みんな仲良くね。アイリスです!』
 アイリス!


よかったシール10枚.イリス・グラン・ジャンポール

 根来衆との最終決戦。アイリスも霊力を使って、二人の忍者を鉢合わせにしたりと奮闘しますが、攻撃にはやはり向いていない様子。胸を押さえて苦しそうな演技が、本当に痛々しかったです。
 レニがアイリスを守りつつ、戦闘は続きます。そして遂に脇侍が登場。
 驚愕する花組。アイリスが幻夜斎を指差しながら叫びます。
 『あいつが動かしてるんだー!』
 迫力ある、凄い叫び声でした。
 現れた脇侍に立ち向かうカンナですが、やられ、負傷してしまいます。そこへ大神の指示。アイリスはカンナの回復。
 そうです、アイリスの必殺技は味方の回復です。
 『イリス・グラン・ジャンポール!』
 そして出てきたのが、今夏の歌謡ショウ最大の隠し玉、最大の人気キャラとなった、パンツ丸見えスカート姿のジャンポール!
 そう、これぞ「マル天ミックス」で久美さんが歌謡ショウの見所として推していた「でっかい、動くアレ」です。
 可愛らしい足音と共に登場、カンナのそばに行き、
 『チチンのプイ』
 とアイリスが言えば、ジャンポールがカンナの頭をなでなで。一気に全回復です(笑)。
 『さんきゅー』
 二人、跳ねながら両手を打ち合わせる、アイリスの満面の笑顔がジャンポールそのものといい勝負の(笑)、最高のラブリーさでした。


よかったシール8枚.緊急事態!?

 遂に根来幻夜斎を倒し、戦い終わって……。
 二匹のハエもやっと、川岡と武田に戻ります。
 『良かった〜!』
 ほっとした笑顔でアイリスは息を付きます。ところが、徐々にハエの記憶を取り戻した二人は花組の秘密に気付きつつあるのでした。
 焦る花組の面々。レニの提案で、アイリスに記憶を消してもらうことに。
 『でもそういう霊力って使っていいの?』
 不安そうに顔を歪めるアイリス。が、緊急事態だからお願いと言われ、アイリスは二人も元へと歩み寄ります。
 『ね!』
 振り向く二人。目映い黄色い光が降り注ぎます。  『二人が見た花組の秘密よー、消え去れっ!』
 人差し指を立てて、両手を掲げるアイリス。本当に、久美さんが編み出す可愛い仕草は凄いです。これに勝るものは無い、男心を鋭く突いてくる最高の動きをいつも見せてくれます。
 全てを忘れ、きょとんとしている二人ですが、お客さんはアイリスの呪文や、川岡と武田を見るアイリスの輝くような笑顔は忘れることは無いでしょう。


よかったシール9枚.恋をしませう

 全てが解決し、今日のところはお稽古は休みにし、深川お祭りへ行くことに。
 『あ、花火だー!』
 舞台前方へと走り出し、張り出し舞台に腰掛けます。
 「恋をしませう」が二幕のラストをしっとりと飾ります。
 アイリスの見せ場の一つは、団扇売りから団扇を二つ受け取り、さくらに手渡すところ。優しい笑顔で渡しつつ、自分の団扇でぱたぱたとさくらを扇いであげるところがとっても素敵な場面です。
 二つ目の見せ場は、さくらの振りを真似するところ。中央で歌い踊るさくらを、カンナがアイリスに指差し、アイリスはさくらのステップを見ながら真似します。最初はたどたどしく、中盤から愉しげに。
 動きの変化、表情の変化、どれを取っても余りにも自然。特筆すべき久美さんの芝居だと思います。
 二幕はここまで。最終幕は、やる気ゼロで奮闘する(笑)ジャンポールの鐘の音と共に上がります。



★三幕★



よかったシール10枚.青い鳥を探しに行くよ

 劇中劇「新・青い鳥」。
 過去のスーパー歌謡ショウに比べ、とても短いものでしたが、完成度はひけを取らず、完璧な夢の世界になっていたと思います。感動したことで言えば、間違い無く過去最高です。
 序盤は「猫の歌、犬の歌」で、ミチルたちの青い鳥探しの冒険を群舞で見せていました。
 青を基調にしたフリルの付いた服に、黄色(金色)のツギハギの付いたスカート。それから赤と白の縞模様のオーバーニー。赤いリボンに赤い靴。そして手には鳥篭。
 因みにパンフやブロマイドなどを見る分には、この可愛らしい衣装が演出する(笑)太股の眩しさに心も奪われてしまうのですが、実際、舞台を観ている間はどうにも感動で胸いっぱいになってしまい、それどころではありませんでした。
 強烈な日差しの下を歩き続けたり、幽霊たちに追い掛け回されたり、雨の中を葉っぱの傘を差して歩いたり、子船で河を渡ったり。チルチルに手を引かれ、溌刺とした笑顔で元気に歩く姿がとっても素敵でとっても良かったです。半ベソの顔になったり、顔をしかめたり、にこにこ顔になったり、目まぐるしく変わる表情の変化も楽しかったです。
 因みにミチルの歩き方は殆ど終始、足取り軽く、羽根のように、雲の上を歩くみたいな感じがしました。いつものアイリスとは違う感じがしました。「青い鳥」と言うファンタジーの、小さな女の子「ミチル」。久美さんの役作り云々は勿論、分かりませんが、可愛らしい小鳥のような歩き方は上手かったと思います。
 そうして長い旅をしてきて……。
 一幕の本読みであったシーンになります。
 疲れ果ててしまった仲間たち。不安になるミチル。
 『ねえーお兄ちゃん〜。本当は、青い鳥なんていないんじゃないのー……』
 不安顔で猫のそばに屈み込み、猫の喉を撫でてあげます。この仕草、何か良いです。ちょっとだけ笑顔になるミチル。
 チルチルは諦めません。ミチルを元気付けます。そして妖精からもらった帽子の力で、鳥たちの声を聞くのでした。青い鳥は西の空の彼方、夜の国にいる。
 白い雲に乗れば夜の国に行けると言う猫。
 『白い雲はどこにあるの?』
 元気を取り戻し、尋ねるミチルに、猫はさあ、と気の無い返事。ミチルはふくれっ面になってしまいます。
 が、そこで犬のアイデア。パンの精とさとうの精を混ぜ合わせると雲の出来上がり。それで夜の国へと向かうミチルたち。


よかったシール30枚.夜の国

 夜の国の前へと辿り着いたミチルたち。
 『あの扉の向こうに青い鳥がいるのね……』
 張り出し舞台の上から前に向かって、目を見開き、震えるような声で呟くミチル。舞台上では舞台最奥にある扉。緊張した表情と視線の向け方が、とても上手かったと思います。
 チルチルの行こう、と言う声で、扉に向かってみんな一斉に走り出します。が、そこで扉が開き、夜の女王が現れます。脅えるミチルたち。
 ここで「夜のロンド」が流れます。開け放たれた扉の向こうからは、沢山の青い鳥が。
 喜んで、追い掛け回すミチルたち。でもそれは、手に届かない幸せを安易に求めること、想像力を失うこと、きっと死の象徴なのでしょう、ミチルたちの身体は金縛りにあったかのように数瞬、痺れてしまいます。
 ちょっと恐い場面。身体に受けるダメージを、久美さんは生々しく表現していたと思います。
 ミチルたちは夜の女王に翻弄されます。
 『……お兄ちゃん……』
 夜の女王に直視され、身体をなぞられるようにされるミチル。脅えた声でチルチルに助けを求めます。
 夜の女王を前に仲間たちは、青い鳥を探そうと言う意気はすっかり挫けてしまいます。
 もう帰ろうよ、と泣き叫ぶ猫。でも、と答えるチルチルの声さえ弱々しいです。あんたたちだけ残ればいいんだ、と猫は逃げ出そうとします。
 ただ一人、負けていなかったのはミチルでした。勇気の限りを振り絞って、ミチルは叫びます。
 『逃げちゃ駄目っ!』
 立ち上がるミチル。
 『あたしは恐れないわーっ!』
 表情は泣き顔で、けれどそう叫んで、ミチルは猛然と走り出し、扉の向こう、暗闇の向こうへと消えてしまうのでした。そして閉ざされる扉。
 ここは本当に息を呑むシーンでした。立ち上がり、叫び、走り出す、この一連の演技は本当に素晴らしかったでした。何か、舞台上に流れる空気ごと握り締めて、引きずって舞台奥へと消えていくと言うか……。名場面です。


よかったシール50枚.青い鳥とミチルの命

 打ちひしがれるチルチルたちの前に今度、現れたのは光の女王。「光のソナタ」が流れ、チルチルに語ります。
 好奇心や想像力こそ、生きている証、未来を描く力になる。見えないこと未来のこと、先にある死に脅えてはいけない。夢を描いて生きている限り、死は存在しない。
 曲の最中、舞台最奥で、青い鳥を追い掛けるミチル、扉の向こう側の様子が繰り広げられます。暗闇の中、たった一人、沢山の青い鳥を追い掛け、走り回るミチル。
 それは少し怖くて、物凄く幻想的で、自分でも何故だか分からないのだけれど、胸が熱くなる場面でした。余りにも夢のような光景だったからでしょうか……。
 そして曲が終わり、舞台中央奥、逆光の中に浮かぶミチルの姿。これも鳥肌が立つほど、美しい光景でした。
 青い鳥を捕まえてミチルは帰ってきたのでした。
 『お兄ちゃんっ』
 鳥篭を後ろ手に、笑顔でミチルは呼び掛けます。チルチルお兄ちゃんのことを、心から沢山、愛しているミチル。そのことがまざまざと伝わってくる一声(ひとこえ)です。
 『はい、これ青い鳥。お兄ちゃんにあげる』
 チルチルも仲間たちも大喜びです。しかし、チルチルの表情が凍り付きます。
 『どうしたの?』
 と受け取り、篭の中を覗いたミチルの顔も途端に凍り付きます。
 『死んでる……。ひどい……!』
 呆然と呟き、泣き声混じりに篭を抱き締めます。
 するといつの間にか取り囲んでいた道化たちから、残酷な声が上がります。
 青い鳥は偽物だ。青い鳥なんていやしない。
 『お兄ちゃん……』
 力の無い声で、チルチルを呼ぶミチル。目の焦点は定まっていません。
 『ごめんね……青い鳥、見つけられなくて』
 凄く、謝っている気持ちが伝わってくる声で。
 ふっと倒れ込むミチル。死んだんだ! と猫が叫びます。扉の向こうへ行ったから。ミチルの死を観ている人の胸に、事実として刻み付ける、強烈な言葉。
 本当に魂がすっと抜けてしまったかのような、命の灯がふっと消えてしまったかのような、倒れ方でした。
 青い鳥の死を目にしてから、自分もまた死んでしまう。ここの一連の演技は非常に素晴らしかったです。台詞にしても身体の動きにしても表情にしても、小さな身体に宿る生命が強く感じられる演技だったので、死んでいく瞬間はとても真に迫るもので、胸を貫く瞬間でした。
 チルチルの腕に抱かれている間の、生命の力の感じられない表情、柔らかな身体がだらんとした姿、見事だったと思います。


よかったシール100枚.青い鳥

 ミチルを抱いて泣き叫ぶチルチル。
 僕はもっと君を愛したいんだ……!
 言うまでも無いことかもしれませんが、伊倉さんの熱演は素晴らしかったです。毎回、観ていてさえ、胸を打たれるこの場面。
 青い鳥が何なのか、二人はもう分かってくれたはず。夜の女王と光の女王のやり取りがあり、そして光の女王の言葉により、犬に指示が与えられます。
 命の水を。
 犬は水の精に、命の水を出すよう言います。きっともうこの時、青い鳥が何なのか、場に居た全員がもう解っていたのでしょう。水の精は自分にはそれが出来るんだと解っていて、はっきりと返事をし、想像力と言う名の命の水を出します。
 チルチルの手からミチルの口へと注がれる命の水。そして。
 「ブルーバード」。
 曲自体、CDを聞き返してさえ、泣きそうになるくらい、とても好きです。歌い手、歌詞、メロディ、アレンジ、全て。
 青い鳥の、夢に溢れた歌声と共に、彼女たちも青い鳥になったかのように踊るミチルたち。
 もう、言葉では言い表せない、素晴らしいシーンでした。今回の歌謡ショウで、初めて泣いたのはここでした。この夢の空間はたぶん、しばらくの間、胸の中を漂い続けることでしょう。
 抱きしーめる〜♪
 両手を交差させながら、胸の前で抱きしめる仕草をするミチルが印象的でした。素敵です。
 曲が終わると、再びミチルはチルチルの腕の中。
 『お兄ちゃん……』
 生き返ったミチルを抱き締めるチルチル。
 『お兄ちゃん……ミチル、今、青い鳥になってた……』
 夢見心地にミチルは言います。
 胸に熱いものが込み上げてくる、素晴らしい台詞でした。


よかったシール500枚.別れの時

 と、光の女王が二人の前に姿を現します。
 『母さま!』
 死んだはずの二人のお母さんがそこにいたのでした。
 青い鳥は見つかったのかい、という問いにミチルは答えます。誰しも聞き覚えがある、あの台詞です。思わず、胸にぐっと来る瞬間です。
 『どうして気付かなかったんだろう。青い鳥はずっとあたしたちのそばにいたのに』
 青い鳥はミチルの中に。
 『チルチルの中に』
 『そして母さまにも』
 二人、光の女王に抱きつき、あったかい言葉をもらい、キスをもらいます。
 不意にどこからともなく鐘の音が鳴り響きます。
 ミチルもチルチルもいるべき世界に帰らねばならない。皆にお別れを言いなさい、と光の女王。
 これは久美さんの気持ちの入り方によって、演技がちょっとずつ変わっていた感じでしたが、素晴らしかったのは、言われて、数秒じっと光の女王を見つめ、小さく泣き声を上げてまた抱きつく。もう涙腺の負けです。ここだけは毎回、涙がこぼれました……。
 泣きながら仲間たちに抱きつき、お別れするミチル。
 『水のおねえちゃん〜。いつもおトイレについてきてくれて ありがとう〜』
 『火のおじちゃん〜。いつもわがままばかり言ってごめんね』
 『パンのおじちゃん〜。忘れないでね』
 そして、猫と犬、チレットとチローを手を叩いて呼ぶ二人。
 喧嘩ばかりしちゃ駄目だよ、とチルチルが言い、
 『仲良くね』
 つんとしながら、歩いてきたチレットが二人に抱きつく瞬間、泣きそうな顔になるのも良かったです。
 音楽が高らかに鳴り響き、もう時間です。
 『母さまー!』
 泣きながら抱きつくミチル。本当に、何て罪作りな演技をする人でしょう。別れを本当に泣いているから、ミチルの背中から別れたくない気持ちが余りも伝わってくるから、泣けてしまうのでしょう。
 『さようならー!』
 何度何度も言い、何度も何度も手を振って。そして幕が降ります。
 千秋楽ではこの別れの場面(次のシーンで持ち直しますが)で、久美さん、泣いていました。
 ただ単純にラストだから、気持ちが入り過ぎた故への熱演かもしれません。
 でも、本当のお別れでもあるからかもしれません。
 もうミチルはチルチルと共に、あの世界で青い鳥を探す冒険はしない。あの仲間たちと会うことは無い。この時、ミチルにとって、本当の本物のお別れだから、ミチルはアイリスは、久美さんは泣いたのかもしれません。
 恥ずかしながら、千秋楽はただでさえ泣いていたのに、この場面で余計にボロ泣きしてしまいました……。


よかったシール1000枚.アイリスとレニ、ミチルとチルチル

 今まで歌謡ショウでこんなシーンは無かったでした。そして今までの歌謡ショウで、きっと最も良いシーンでした。
 紗幕が降りた裏側。アイリスとレニが束の間の休憩を取る場面です。
 舞台監督さんたちが用意してくれた椅子に座り、手鏡で髪型を直したり、汗を拭いたりと。
 汗でぐしょぐしょだと言うレニの顔を、
 『涙でだよ』
 『拭いてあげる』
 と、自分自身も正にそうである、そんな声で言いながら、レニの顔をティッシュで拭いてあげます。
 お芝居って楽しいね、と言うレニ。
 そこでアイリスは気付きます。ずっと引っ掛かっていたこと。花組が見失っていたもの。
 『……分かった……!』
 立ち上がるアイリス。何が、と尋ねるレニに、
 『花組が、見失い掛けていたこと』
 と、答えます。
 『……それは、これだ……!』
 すーっと光明が差していくかのような口調と表情で、アイリスは気付くのでした。
 『いつも幸せ過ぎて、それが当たり前だと思ってた』
 レニに顔を向け、アイリスは言います。
 『でも、自分たちだけが幸せじゃ駄目なんだ。みんなが幸せになるために、花組はお芝居したり、戦ったりしなくちゃいけないんだよね』
 アイリスは今回、スーパー歌謡ショウのテーマを、一幕で目立たせる役目をし、そしてここで答えを語る役目をしたのです。アイリスはある意味、劇中劇だけではなく全編、通して主役だったのではないでしょうか。
 みんなが幸せになれるといいね、とレニが呟き、出番の時間が来ます。
 コップの水を両手で飲み、ありがと、とアイリスはスタッフさんに返します。
 あと一曲、仲良しの兄妹になろう。
 『うん』
 言うレニに頷き、アイリスは手を差し出します。
 そして衣装部屋の再現です。手を乗せようとするレニをかわし、ばっと抱きつきアイリス。
 とてつもなく良いシーンです。
 やられた。呟くレニのその声がまた嬉しそうなので、本当に熱いものが込み上げてくる、二人のやり取りです。
 そして、きゅっと手を繋ぐミチルとチルチル。手のあったかさが、観ているこちらに伝わってくるのは何故でしょう。またここで、胸が熱くなるのです。
 根来衆から常にアイリスを守り続けていたレニ、衣装部屋での楽しい時間。本当に仲良しの兄妹になっていたから、ここまで感動してしまう、良いシーンになったのだと思います。
 そしてきっと稽古場から、久美さんと伊倉さんは仲良しの兄妹になっていたから。


よかったシール10000枚.希望

 『青い鳥はあたしね』
 『ありがとう、大勢の仲間たち』
 劇中劇「新・青い鳥」のエンディング。初日、それはオープニングもそうなのですが、初めて聞いた時、これがあの「希望」だとは気付いていませんでした。
 ただでさえ、あの素晴らしい曲(アイリスが歌う曲の中で最も好きな曲)が、更にパワーアップしているとは。これは驚きであり、そして物凄い感動でした。
 『こーこに生まーれる、幸せのかーたち♪』
 歌の第一声、ミチルのアイリスの久美さんの声。震えが走りました。
 久美さんは決して、歌は上手な方(プロの役者さんの中で)ではありません。ダンスに関しては、花組の中で上の方だけれど、歌はきっと下の方でしょう。
 でも。やっぱり結局、最後に物を言うのは心なのでしょう。
 気持ちが、想いが込もったミチルの歌声に、激しく心が震えました。
 抑えて歌われているCDと比べてしまうと驚くほど分かるのですが、演技で気持ちが入るとこんなにも違うのか。
 もう何なのだろう……。凄いです。
 この気持ちの量こそ、アイリスが演じるミチルそのもの。そして今現在の久美さんの、演技力の大きさなのかもしれません。
 『このー場所に生ーきて、はるか明日を見ーよう♪』
 足を踏ん張り、両の拳を握り締め、「希望」があの「希望」になる瞬間、あれは思い出しても涙が出そうになります。今まで歌謡ショウで久美さんが歌ってきた中で、最も素晴らしい最高の歌だったと思います。
 青い鳥のごとく軽やかに踊るミチル。
 想いを込めて歌い上げるミチル。
 ミチルの周りに広がる夢の空間。
 今回ほど、生きていくエネルギーを沢山もらった歌謡ショウは無いです。何があっても、どんなきつい日々が続いても、この胸に広がる青い世界がある限り、無敵状態で乗り越えられそうです。



★フィナーレ★



よかったシールもう無い.花のレビュウ&ゲキテイ!

 頭真っ白、胸いっぱいの状態で、今年のフィナーレは自分にとって、余韻を身体に刻み付けるような、そんな感じでした。「花のレビュウ」にさくらの感謝の言葉が入った、ショートバージョンです。
 それにしても、今まであれだけ見せ場をやってきて、あれだけの熱演をして、あれだけ動いてあれだけ歌って。
 尚も軽やかに踊り、透き通る歌声に光のような笑顔。
 思い出してみるに、(実際、久美さんはもうへとへとなのでしょうが)久美さんの体力は凄いです。絶対、自分の3倍はあります(笑)。
 ラストはいつもの「ゲキテイ」。でもいつものコールをしない輩も隣りに居ましたが(笑)。自分もカーテンコールでは由里さんの名前を叫んだけれど(笑)。
 それだけ、楽しい歌謡ショウだったと言うことで。
 因みに今回のカーテンコールでは何度か、当日券が売れたことをさくらが話して感謝していました。実際に観劇してから、もう1回、観たいと思うお客さんが例年以上に多かったと言うことでしょうか。アイリス主役の年に、これは嬉しいものです。
 千秋楽のカーテンコールは3回でした。新春歌謡ショウの日程を発表したり、さくらが青い鳥のことで、あたたかい感動的な言葉を言ってくれたり。千秋楽はアイリス側の前の方の席にいたので、「汗でぐしょぐしょ」な顔を見られただろうかと、それだけが心残りです(笑)。
 今年の夏は、これでおしまい。
 9年目の夏。自分にとって、絶対、過去最高の歌謡ショウでした。青い鳥をいっぱいもらいました。生涯、忘れることの無い歌謡ショウになりました。
 久美さんの中も、青い鳥でいっぱいになったでしょうか。全9公演、本当にお疲れ様でした。



※久美さんの初日までのスケジュール
4月30日(土):歌の録音
5月末     :ポスター・パンフレットの撮影
6月中旬    :久美さんの元に台本到着
6月27日(月):お稽古スタート・顔合わせ・本読み
7月上旬    :振り付け中心のお稽古
7月中旬以降  :芝居・殺陣中心のお稽古
7月17日(月):公開稽古
7月30日(土):稽古休み
8月8日(月) :稽古場でのお稽古終了
8月10日(水):劇場入り・衣装付き場当たり
8月11日(木):2幕と3幕の場当たり・通し
8月12日(金):小返し・公開ゲネプロ

 
  

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