ジャズとバーボンと・・・
2004/05/12
 
夜更けにひとり、ジャズライブハウスの扉を開けた。
友と飲んでも酔えない自分が情け無かった。
話が弾んでいる中で、ポツンと取り残されたような自分も嫌だった。

この店には時々訪れる。
ピアノとテナーサックスのセッションだった。今日はヴォーカッルは無い。
店内に客は疎らであった。
若い女性3人組、30代男性2人組、大人っぽいカップルが1組、
物思いに耽った30前後の女がひとり、そして僕・・・僅かそれだけだった。

マスターにメーカーズマークスをロックで注文した。
角張った氷が何故か胸に突き刺さりそうだった。
そう言えば、あの時も君はあのバーでロックを飲んだっけ。
その時の氷がやけに丸かったのを覚えている。
君は疲れていた…僕も疲れていた…
語ったことも覚えているさ。
いや、忘れよう。
忘れるために来たんじゃないか。

物思いに耽った女が傍に来た。
よければいっしょに飲もうと言った。
そうだ!今日は1人飲んでも酔えないのだから、この女と飲むことにしよう。
「いいよ。」
「よく来られるのですか?」と女は聴いた。
「うん、たまにね。君はどこから来たの?」
「ええ、○○市です。ひとり考え事がしたくて…」
「へー、それじゃ僕といっしょだよ。じゃあ、しこたま飲もうよ。」
「そうですね。」

11時になってしまった。
僕は誘った。「よ〜し!もう1件行こうよ〜。僕の知ってるBarに。」
女は乗ってきた。「ええ、徹底的にやりましょう〜。秋の夜長だしね〜。」

もう秋を思わせる冷たい風が吹いていたが、やけに気持ちが良かった。
女は僕の左腕にすがってきた。
見上げる空に星は出ていなかった。



2002/10/15
関連ページ:http://shyrock.fc2web.com/shy.html