紫煙の向うに見えたものは
2004/02/07
 
阪神淡路大震災前以来だろうか?
JR摂津本山駅(神戸市内)あたりからゆっくりと坂を北に登った。
街が全く変わってしまった。
そう僕の記憶の街ではなくて、全く違う街に生まれ変わっている。
目覚ましく早く。

もう陽が暮れたというのに真夏日のように暑く、雨が降っても涼しくならなくてただ蒸すだけ。
暑いときに冷たいものを、と言うのが常識であろうが、僕はアイスコーヒーを飲まない。
熱いコーヒーである。
暑いときに熱いコーヒーを飲むと汗が引くから不思議である。
1軒の喫茶店(お洒落なカフェじゃなく普通の喫茶店)に入った。
クラシックが流れていた。
あれは確かシューマンだった。

運ばれて来たのは、モカ・マタリである。
香ばしい香りが漂う。
一口含んでその深みある味に酔いつつ、ラークマイルドに火を点した。
煙が輪になった。
輪の向うに何かが見えた。
それはさきほどのことだった。
そしてつい最近のことだった。
それからかなり昔のことだった。
まるで走馬灯のように頭の中をグルグル廻り始めた。
サブノート型パソコンのような気の利いたものを持っていない僕は、
手帳にひとこと走り書きをした・・・。

500円玉をひとつ置いて、喫茶店を出た。
生ぬるい風なのに、妙に心地よかった。
ゆっくりとした足取りで阪急岡本駅に向かった。