| 阪神淡路大震災前以来だろうか? JR摂津本山駅(神戸市内)あたりからゆっくりと坂を北に登った。 街が全く変わってしまった。 そう僕の記憶の街ではなくて、全く違う街に生まれ変わっている。 目覚ましく早く。 もう陽が暮れたというのに真夏日のように暑く、雨が降っても涼しくならなくてただ蒸すだけ。 暑いときに冷たいものを、と言うのが常識であろうが、僕はアイスコーヒーを飲まない。 熱いコーヒーである。 暑いときに熱いコーヒーを飲むと汗が引くから不思議である。 1軒の喫茶店(お洒落なカフェじゃなく普通の喫茶店)に入った。 クラシックが流れていた。 あれは確かシューマンだった。 運ばれて来たのは、モカ・マタリである。 香ばしい香りが漂う。 一口含んでその深みある味に酔いつつ、ラークマイルドに火を点した。 煙が輪になった。 輪の向うに何かが見えた。 それはさきほどのことだった。 そしてつい最近のことだった。 それからかなり昔のことだった。 まるで走馬灯のように頭の中をグルグル廻り始めた。 サブノート型パソコンのような気の利いたものを持っていない僕は、 手帳にひとこと走り書きをした・・・。 500円玉をひとつ置いて、喫茶店を出た。 生ぬるい風なのに、妙に心地よかった。 ゆっくりとした足取りで阪急岡本駅に向かった。 |