| 朝食の時間と言うよりも、すでに11時を過ぎブランチタイムになってしまった。 日曜日のせいか空気が澄みきっているようだ。 広い窓からは街の中心部の高層ビル群や、この街のシンボルとも言える城の天守閣までが見えている。 シズカは鏡の前に座ってひたすら化粧をしている。 淡いピンクの短いキャミから、同系色の薄地のコットンパンティが覗いている。 その光景はとてもエロティック。 すらりと伸びた色白の脚は丁寧にぴったりと揃えている。 品性の良さと言うものは、その時々に偲ばれるものだ。 先に着替えてしまった僕は、シズカのそんな仕種をいとおしく思いつい見つめてしまった。 見られていることに気づいたシズカは、顔を隠すようにしながら僕の方を向いて言った。 「見ないで・・・恥ずかしいじゃない…。」 そう言ってはにかんだ。 昨夜あんなに乱れたのに、明け方もあんな声を出していたのに、今はすまし顔。 女と言うものはそのシチュエーション毎にこうも表情が変わるものだろうか。 そんなことを考えながら、シズカを食入るように眺めてしまったのだ。 「時間が経つのが早いわね。」 「そうだね。楽しい時間と言うものは直ぐに過ぎてしまうね。」 「また会ってくれるよね?」 「もちろんだよ。」 「嬉しい!じゃあ、今から水族館に行こ?」 「水族館に行ってたら、君は帰れないよ。世界一大きな水族館だから、廻ると3時間は優に掛かるかも。」 「そうなんだ…。残念だね。でも次に来た時に連れてってよ?」 「うん、行こうね。」 「あの…」 「なに?」 「このパンティをあげる。」 「ええ!?パンティを僕にくれるって?」 「いらないの?」 「い、いや、欲しいよ。でもいいの?高いんだろう?」 「高くないよ。私たくさん持っているんだから。」 「ありがとう。それじゃもらっておくよ。でも照れるな〜。」 「このパンティを見て、私を思い出してね。」 「うん、思い出すとも。」 シズカは穿いているパンティをサラリと脱いで僕の掌に乗せた。 その後、別の紺色のパンティにすばやく穿き替えた。 シズカの化粧や着替えも終った。 シズカは白い半袖のセーターに、スカートは豹柄のミニ・タイトであった。 アニマル柄の似合う女であった。 彼女はその上にレザーのコートを羽織った。 その間僕は忘れ物が無いか部屋をチェックした。 最後に部屋の鍵を手にした。 鍵には「4926」と部屋番号が刻印されていた。 晩秋のふたりだけの一夜を優しく見守ってくれたこの部屋…ありがとう。 いつまでも忘れないよ。 もう一度、49階の窓から市内を見降ろしながら、ふたりは熱いくちづけを交した。 ドアを開けて遅いチェックアウトを済ませた。 (終) |
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