<ポスター>

◎6枚目◎




▼2003/10/27▼

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OVA
「フォーチュンクエスト
    〜世にも幸せな冒険者たち〜 vol.1&vol.2」
(VHS。新品を探すのは難しいかもしれません)
久美さんの役⇒ルーミィ

 深沢美潮さんの同名の小説が原作のOVAです。但しタイトルの末尾に¨L¨と付いているのは、テレビシリーズでキャストが違いますので、ご注意下さい。vol.1&vol.2、それぞれ2話ずつ収められています。
 世界観はライトファンタジーと言うのでしょうか、「パステル」という冒険者の女の子が主人公で、彼女のパーティが遭遇した冒険を描いた物語です。
 久美さんが演じているのは、パステルのパーティの一人、「ルーミィ」。
 年の頃、2〜3歳の……と言っても、ルーミィはエルフ族。実際の年齢は不詳だったりします。見た目、2〜3歳の、くりくりした大きな水色の瞳に、水色のふわふわした髪がチャーミングな、とっても愛らしい女の子です。久美さんにぴったりの愛くるしさです。
 久美さんは、幼く可愛らしい、ころころした声で演技しています。舌足らずで、「ごちそう」→「ごちしょう」、「アルバイト」→「アリュバイト」といった風に喋ります。
 パステルのことを「ぱーるぅ」と呼び、よくパステルが言った言葉を真似します。パステルが「借金してるの」と言えば、意味も分からず「しゃっきんしてりゅの」と言ったり、「余計、分からなくなるー!」とパステルが怒れば、「わからなくなりゅう」と、ほんのちょっぴりだけ怒ったような語気で言ったりと、そんな具合です。
 久美さんはこれらを抜群に愛らしく言っています。そして物凄く無垢に演じています。だから、ただ可愛らしいだけではありません。久美さんの台詞から発せられる赤ちゃんみたいな無垢さが、脚本の中で面白く浮かび上がっていて、一言一言に思わず微笑んでしまいます。
 そして原作をお読みになった方はご存知でしょうが、ルーミィの名台詞、「おなか、ぺっこぺっこだおぅ」。これも久美さんは、とてつもなく可愛く言っています。そう、育ち盛り(?)のルーミィはとっても食いしん坊だったりします。食べること大好きです☆
 そんなルーミィも、戦闘では大活躍です。RPGで言うところの魔法使い。ただ幼いルーミィは、メモを見ながらでないと呪文を唱えられません(笑)。でも、モンスターの群れに囲まれても泣き出すことも無く、パステルに攻撃魔法を頼まれた時も、落ち着いた素振りでぱらぱらと片手でメモをめくり、呪文を詠唱します(状況が良く分かっていないだけかもしれませんが)。
 呪文を唱えている場面では、ルーミィの幼い舌足らずな声のままで、且つ神秘的な雰囲気も加わっているのが見事な久美さんの演技です。冒険に出る前に抱えてしまった借金を返すべく、ヒールニントで温泉水を取りに行くアルバイトの途中、モンスターに遭遇するのですが、ここはルーミィの見せ場です。ロッドの先にちょこんと現れた小さな炎に恐れをなして(炎が弱点)、逃げていくモンスターたち。ルーミィを褒めるパステルに、後ろ頭を掻きながら、「ぇへへ」と笑うのがとっても面白可愛いです。久美さんらしい、照れ笑いの演技です。
 vol.1のルーミィの最大の見せ場は、中盤(1話目の終盤と2話目の序盤)でしょう。
 小さな男の子の生け贄を要求して、ヒールミントの温泉を止めてしまう「ホワイトドラゴン」を退治してあげることになったパステルたち。村長の家に行くことになり、久し振りにご馳走にありつけそうな気配。「ぱーあるぅ、ルーミィ、おなか、ぺっこぺっこだおぅ」と漏らしていたルーミィは、「あはっ、ごちしょう、ごちしょう〜!」と大喜びします。甘えるルーミィと喜ぶルーミィが最高に可愛いです。耳と胸をくすぐる、久美さんの好演技。
 村長宅に付いたルーミィはご機嫌で、「ごーちしょ、ふふっ、ごちしょっ! あはっふふっ!」とはしゃぐのですが、同じような台詞でも、ご機嫌な状態ではしゃぐルーミィだから、台詞回しもしっかりそうしたものになっています。当たり前のことではありますが、加えて面白みあるものに仕上げているところは、やはりさすがだと思います。因みに、ご機嫌なルーミィは村長の家について、「ぱーるぅ、みゅしゅずりょくぁんよりきれいだねー☆」と言いますが、これは原作を読まないと分かりませんが、¨みすず旅館¨のことになります。
 と、喜ぶルーミィなのでしたが、そこへ村人たちがクワやモップを武器に、大挙して押し寄せてきます。ホワイトドラゴンを退治しようとしてダンジョンに入っていった冒険者たちは、何故か必ず悪の化身となって街を襲うから、それを止めるためでした。一触即発の緊迫した状況。そして音楽も盛り上がり、ぴたりと止んだところで、ルーミィのこの一言。
 「ごちしょうは?」
 とびっきり無垢に可愛く言ってくる、この久美さんの台詞に笑わない人はいないでしょう。爆笑ものの瞬間です。
 更に牢屋に入れられてからも、ただ一人、状況を分かっていないルーミィは呑気です。
 「ねえ、ぱーるぅ、ごちしょうはあ?」と待ちくたびれた様子で尋ね、パステルにご馳走の代わりにチョコレートをあげると言われ、「はあっ☆ チョコレイト、ちゅきだよお」と嬉しがるルーミィ。もう、どうしようもなく愛くるしい、ぎゅっと抱き締めたくなるような、そんな久美さんの芝居です。ここまで愛らしい、小さな女の子を表現できる人は久美さんを置いて他にいないでしょう。
 さて、その後の詳しいストーリーは割愛するとして、ダンジョン内でパステルたちとはぐれ、悪の化身となってしまったルーミィのシーンでは、エフェクトが大きく掛かってはいますが、子供でありつつ、絵とぴったり合った凄まじい危険さを演じていたり、更にvol.2の終盤ではしんみりさせてくれる演技も。
 色々あって意識が戻ったルーミィがパステルを見つけ、「はっ! ぱーるぅ〜!」と走り出し、「あのね、あのね、ルーミィねえ」と、泣き出しそうな声になりながら抱き合うシーンはじ〜んときます。何か言おうと一生懸命なルーミィなのですが、やっと出てきた言葉は「おなか、ぺこぺこだおぅ!」(笑)。ハッピーエンドの幸せをより強く感じさせてくれる、久美さんの素敵な台詞です、
 また、事件が解決し、ダンジョンで出会ったホワイトドラゴン(白い小犬みたいな生き物)といよいよ別れる段になった時。「しおちゃん(シロちゃん)、どっきゃ行くの?」と尋ねるルーミィ……。ちょっと不安げに言う台詞回しに、これだけで胸に来るものがあります。自分のダンジョンに帰ることを知らされると、ルーミィは泣きながら抱き付いて、「やだやだ! シオちゃん、ルーミィといっしょ、くゆの〜!」と駄々をこねて泣くのですが、ここは本当にもらい泣きしてしそうになります……。
 ルーミィとシロちゃんが仲良くしているシーンは劇中、実際には描かれてはいないのですが、それでも胸が詰まってしまうのは、久美さんの演技の力に他無いでしょう。
 そして帰る必要は無いとなった時の、「ほーら、ルーミィのいったとおりだよう、うふふっ☆」は、幸せいっぱいで、凄く胸があったかくなる久美さんの芝居です。最高に愛らしくて、この一連のシーンはvol.2のルーミィ、一番の見せ場でしょう。ルーミィのことが凄く好きになる場面であり、これでおしまいというのが余りにも勿体無い気持ちになります。
 小さな女の子の演技はお手のものと言ってもいい久美さんの役の中でも、これは秀逸です。是非、ご覧になってみて下さい。
 最後の最後で、笑わせてくれる台詞も喋っていますので、お聞き逃しの無いように☆
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▼2003/11/3▼

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ドラマCD
「GUNばれ!ゲーム天国
    〜戦え!DJ戦隊ゲーテンジャー〜」
(税込:2.500円で発売中)
久美さんの役⇒伊藤由紀

 ご存知、久美さん主演、傑出の代表作、SS&PSゲーム「ゲーム天国」のドラマCDです。
 久美さん演じる「伊藤由紀」ちゃんについては……今更、改めて書く必要、無いですよね☆
 ゲームセンターのアルバイト店員、明るく元気でお喋り好き、ちょっぴり天然でパニクり易いのが玉に傷……ではなくて大いなる魅力な19歳です。
 このドラマCDでは、ラジオのDJになった由紀ちゃん。お馴染みの個性的なメンバーに振り回されながら四苦八苦です(笑)。
 ドラマの部分での、由紀ちゃんの聴き所としては、まず冒頭、「ゲーセンおたくねえちゃんこと、伊藤由紀ちゃんで〜す。って、誰がおたくねえちゃんよ!」と一人ノリ突っ込みするところと、曲紹介をするところでしょうか。ハイテンションな喋りがとっても愉しい、久美さんの熱演です。特に曲紹介をする下りは必聴。「恋する乙女は不思議な季節……」と乙女チックな口振りで始めるや否や、直ぐに一気にテンションが上がり、最後は「あいらぶゆうー!」と、拳を振り回すように叫ぶ様は圧巻です。
 また、淡泊な自己紹介をする「セリア」に、彼女の恋仲「ジェイナス」のことを持ち出して引っ叩かれ、「アイテッ! ぅーらら〜」と目を回すところは、こんな面白い反応を見せてくれる久美さんに脱帽です。
 「みさと」へのお手紙を紹介する時に、自分に? と聞き返され、「そうよー」と優しく応えるところも印象的。思わず胸がきゅんとなる、素敵な久美さんの台詞回しです。小さなところで、心を奪われてしまう、久美さんの演技の妙です。
 といった具合に、挙げていくときりがありませんが、久美さんの奔放な演技が楽しめます。久美さんらしさ、久美さん節とでも言うのでしょうか、そういったものが炸裂しているように思います。素の久美さんが部分的に顔を覗かせている、そんな気さえしてくるのです。ともあれ、久美さんの声の可愛さ、演技の面白さをいっぱい堪能できるCDです。
 一番、可愛い場面としては、中盤辺り、歌が終わり、何を話していたかは分からないけれど、「いやあ、もう、セリアったらあ! うんー、そんな恥ずかしいこと、言わないでえ、きゃはあっ!」と照れるところでしょうか。男心をくすぐられます☆ 何の話か訝しがるみさとに、「ええ? いいのぉ、そんなの分かんなくってえ」と言うところもとっても可愛くて、甲乙付け難いです。
 さて、そんなこんなでラジオは進んでいくのですが、そこへ、「ジーニアス山田」の部下たちが嫌がらせをしに現れます。あっさり返り討ちに合う彼女らですが、すっかりパニクってしまう由紀ちゃん。久美さんの、慌てる演技も非常に可笑しいのですが、更に駄目押しが☆ 曲に行こうとして、「ラブラブな感じで〜」と言おうとするのですが、思いっ切り噛んでしまうのです(笑)。アドリブも多数、使われているとのことで、これは本当に久美さんが噛んでいるのでしょう。でも、余計にパニクっている様が強調されて面白いし、その後の「なんだっけ?」と、気の抜けた声で曲名を忘れてしまう台詞と上手くマッチしていて、最高に愉しいです。
 大騒ぎの中、みさとがいないことに気付く由紀ちゃん。「ねえ、みんなぁ、聞いて聞いてー」と、話を切り出す台詞は、とてもナチュラルな声、ストレートな芝居で、不思議と心惹かれるものがあります。久美さんの声自体が持つ底力なのではないかと思います。
 みさとがさらわれたらしいと分かり、内職(笑)に気を取られているうちに、と悔やむ「みき」。「今まで部屋の隅で何やってたの〜!」と嘆く台詞は、正に久美さんらしい芝居です。
 みきが作っていたのは、「DJ戦隊ゲーテンジャー」の衣装。勝手に「ユキ・レッド」と命名され、着替えさせられる由紀ちゃん。「何なの何なの何なの一体〜!」と、可愛い声で慌てまくる由紀ちゃんですが、変身が完了すると、突然、凛々しい声になって「ユキ・レッド、変身完了」と決めポーズ(笑)。久美さんの声のメリハリの付け方の上手さと、演技の面白さの幅の広さ故の、愉しい台詞回しです。
 また、みきに決め台詞を一緒にやりたいかと尋ねられ、「まあ、あたしも嫌いじゃなしー、あはっ、みんなと一緒にやるならやってもいいかなーなんてー」と、考えながら答える台詞の語尾は、劇中、最も久美さんそのまんまと思うのは私だけでしょうか。
 果たして、DJ戦隊ゲーテンジャーはジーニアス山田からみさとを無事、救い出せるのか。続きはCDを聴いてのお楽しみです。怒髪天を衝く由紀ちゃん、太い声でDJ戦隊ゲーテンジャーのナレーションをノリノリでやる由紀ちゃん、久美さんのどこまでも突き抜けた演技が心ゆくまで楽しませてくれます。
 さて既に、¨曲紹介を¨、¨歌が¨などといったことを書いてきたので、もうお察しかと思いますが、このCDには久美さんの歌も収録されています。SS版の「ゲーム天国」とPS版の「GUNばれ!ゲーム天国」に収められている楽曲が全て入っています。
 うち、久美さんが参加している曲は3曲。
 まず「To Your Dream 〜The Game Paradise」。これはセリア役のかないみかさん、みき役の高橋美紀さん、みさと役のこおろぎさとみさんと共に(要するに¨スーチーガールズ¨ですね☆)、四人で歌っている曲です。力強い歌詞の清々しい曲で、若干、大人びた声で抑えた感じ、それでいて温かみのある久美さんの歌い方がとっても素敵です。
 続いて「e-thai-hau-die!!」。これは曲名通り、みきが他のキャラクターについて「言いたい放題」言い、みさとがそれに突っ込みを入れつつ、言われたキャラクターも反応を返してくる、オールキャスト(PS版)による、一応……ラップ(?)です。で、久美さん演じる由紀ちゃんはと言うと、一言も触れられないまま曲が終わってしまい、静かな中、一人、文句を言いながら、悶々としてしまう(笑)、おいしい役どころ☆ 歌も良いけれど、やっぱり久美さんは芝居、なんて思ってしまうくらい、愉しくて可愛い久美さんの演技です。
 そして最後は「カラ元気じゃないよ」。これは、久美さんとかないみかさんのデュエットで、SS版の特典のOVAにはビデオクリップまである、一番、馴染み深い曲かもしれません。個人的に、久美さんの歌の中で最も好きな一曲です。由紀ちゃんが、と言う訳ではないでしょうが、可愛い片思いをして失恋してしまった女の子を久美さんが歌い、それを見守っていた親友の女の子をかないみかさんが歌っています。恋する年頃の女の子の声で、ちょっぴり切なく、でも明るく前向きに歌い上げている久美さん。本当に素敵な曲です。
 心配してくれた友達に感謝する下り「ありがとう心配してくれて、恋は見事に終わっちゃたけど、AH〜元気出てきたよ♪」と、サビに向かって歌い上げていくところは、彼女の心に元気が戻ってくる様が、あたかも、元気になっているのは聴いている自分もそうであるがごとく、胸にすーっと染み入ってきます。曇った空に、陽光が広がっていくかのような、素敵な久美さんの歌い回しです。因みに久美さん曰く、音程が外れそうになるところで、かないみかさんが入ってきてくれるそうで、正に歌詞にあるが通り、「キミがいてくれた」、ですね☆
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▼2003/11/17▼

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TVアニメ「家なき子レミ」
(VHS。レンタル屋さんで見つけるのが
一番の近道かもしれません)
久美さんの役⇒ニーナ

 世界名作劇場より「家なき子レミ」です。久美さんは、第5話「奇跡のマリア像」にてゲスト出演。
 旅芸人の「ヴィタリス」によって人買いの手から救い出された「レミ」は、一座の一員として旅を続ける道中、孤児院の悪戯ぼうず、「ピエール」と出会います。ピエールは毎晩、とあるお屋敷に忍び込み、マリア像にお祈りをしていました。
 妹が言葉を話せるようになるように。
 その妹、「ニーナ」が久美さんの役。母親を亡くしたショックで言葉が上手く出てこなくなった、年の頃、4、5歳の小さな女の子です。
 言葉を話せない、ということで、台詞は余り無いのですが、悪戯をして怒られるピエールを許してあげてと、涙を溜めて小さく泣き声を上げるシーンは、言葉を話せない子なりの泣き方を上手に表現しているように思います。
 また、泣き声だけで、久美さんが出すであろうニーナの声を想像できるのは、久美さんの個性的な声が持つ強みでしょう。そのお蔭で、ニーナの笑顔や切羽詰まった表情から、今にも声が出てきそうな、そんなもどかしささえ感じることもあります。
 だから、同情だとしてもニーナに情が移るし、妹が言葉を話せるようにと願うピエールの気持ちも殊更、強く伝わってきます。台詞は無いけれど、間接的に久美さんの声や演技が、多かれ少なかれ物語に影響を与えているのです。
 しっかりした台詞が出てくるのは、ピエールの回想シーン。絵にぴったり合った、可愛らしい、幼い声で久美さんは演技をしています。
 今は無き母親に、奇跡を起こしたマリア様の話をせがむニーナ。
 それは、昔々、重い病のおばあさんを救うために、毎日、マリア様にお祈りを続けた心優しい少女のお話……。
 ニーナはそのお話が大好きで、「ねえねえ母さん、いつものお話してー。マリア様のお話ー」とベッドの側でねだります。まだ母親がいた頃の、幸せそうなニーナを、久美さんはしっかり演じています。過去の温かい記憶……その温かみを、見ているこちらにも感じさせてくれます。
 マリア様のお話の続きはこうです。
 ¨それは丁度、百日目のこと、マリア様は少女のそばに近付いて言いました。あなたの祈りを聞き届けましょう、と。こうして少女のおばあさんは元気になったのです。¨。
 ピエールはこの話に倣って、百日間、マリア像にお祈りを捧げようとしていたのでした。
 回想の中でニーナは無邪気に尋ねます。「マリア様は本当に歩いたのー?」。そうよ、と優しく答える母親に、ニーナはとても嬉しそうに笑います。可愛らしく、素直な心で尋ね、素直に笑う。久美さんのその演技は心に深く残ります。
 そしてこの部分は、非常に感動的な、奇跡の伏線となります。ニーナの言葉を取り戻す切っ掛けとなる、大切な思い出……。物語の最後、言葉が話せるようになり、か細い声で言葉を紡ぐ久美さんの芝居と共に感動することでしょう。
 「サクラ大戦」のお仕事で、久美さんはご自分の、子供の演技の未熟さを痛感することになりますが(「ドリマガ」のインタビューより)、演じている、表現している気持ちは本物の力を持っていたことだけは確かです。
 そして。
 久美さんの演技が色々なファクターから今も磨かれていっていることもまた、確かなことだと思います。
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▼2003/11/24▼

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ドラマCD「ルナ・シークレット」
(税込:3,800円で発売中)
久美さんの役⇒藤枝小夜子

 たまにはこういうのも良いでしょう。女の子同士の恋を描いた、ちょっとHなドラマCDです。月の女神「ルナ」が覗き見している出来事という設定で、2本のドラマが収められているのですが、久美さんは1本目、「ルナ・シークレット」というドラマにご出演されています。
 全寮制の女子高が舞台で、久美さんが演じるのは演劇部に所属する可愛らしい女の子、「藤枝小夜子」です。
 このCDのブックレットには久美さんのサインとコメントも掲載されているのですが、「超ブリブリの可愛らしさを目指しました」とおっしゃる通り、とってもブリブリな声で演じています。
 同じ演劇部の先輩、部長である「亜夜香」おねえさまと、○○○な関係にある小夜子でしたが、演劇コンクールを間近に控えたある日、ヒロインである小夜子の相手役として、ボーイッシュなある女の子が紹介されます。
 その女の子とは「盾野」さん。半年前、小夜子が一目惚れした転校生の女の子でした。やがて、小夜子の気持ちに気付いた亜夜香は、彼女から盾野さんを遠ざけようとするのですが、小夜子は自分の気持ちに逆らえず、思わず練習をすっぽかし、盾野さんに会いに行ってしまいます……。
 と言った具合のストーリーで、女の子だけの三角関係を描いています。
 久美さん演じる小夜子は、とても大人しくて臆病なのだけれど、嘘の付けない、素直で真面目な女の子です。一方、亜夜香はいかにも¨女王様¨、もとい(笑)¨おねえさま¨といった感じで、夜になると小夜子はいじめられちゃいます(笑)。
 いじめられる久美さんの演技は、とっても官能的で、そそられるものがあります。
 実際、ブックレットでも、亜夜香を演じる高田由美さんは「お姉様としてイジメがいがあるほど、西原さんの声はとっても良かったですよ」と語っています☆
 さて、そんな小夜子が、盾野さんへの恋を頑張っていく訳なのですが、対象はどうあれ、久美さんの、恋する女の子の演技はやはりとっても素敵です。
 盾野さんと稽古を始める時の、輝くような小夜子の声や、盾野さんに会いに行き、暫しの甘い一時を過ごす、とっても楽しそうな小夜子を、物凄く魅力的に演じている久美さんです。恋で輝いている小夜子の声を聴いていると、束の間の幸せに浸れます。
 また、盾野さんへの抑え切れない恋心が自然と溢れ出る様は素晴らしいです。
 特に、演劇コンクールに出るのを渋っている盾野さんに、出てくれるよう一生懸命、頼むシーン、そして、本番の舞台で芝居を無視して、盾野さんへの想いを涙ながらに叫ぶシーンは、最も強く胸に迫ってくるものがあります。
 荒唐無稽なほどにロマンチックな女の子なのですが、それを失笑に変えさせず、とことんロマンチックに、とことん真剣に小夜子の心情を演じ抜いている久美さんは、本当に見事だと思います。ブリブリな可愛い声だけれど、気持ちがリアルに乗っているから、知らず知らず引き込まれてしまうのです。
 「ああっ、ここは体育館! あたし、盾野さんに会いに来ちゃった」
 「言葉にならないモヤモヤしたものが、あたしの胸を引っ掻き回すみたいみたいで……」
 「ああっ、お月様! 聖夜(盾野さん)に会いたい。聖夜に会って本当の気持ちを伝えたい」
 ぱっと見、くさい台詞も、露ぞわざとらしくならず、小夜子の切ない気持ちに胸を打たれてしまいます。
 因みに、「ムラサキ先生の多忙な愛情」というFOXさんの舞台で(久美さんは、作家のムラサキ先生に恋する市役所職員の女性の役)、¨ラブラブ光線¨という言葉が出てきますが、正に身体中からそのラブラブ光線を発射している小夜子の姿が思い浮かぶ、そんな気持ちたっぷりの演技を久美さんはしています。
 演劇コンクールの稽古をしているシーンでは、小夜子が上品な貴族の女性を演じていて(シェイクスピアの戯曲)、ここでは、恋の駆け引きをする魅力的な大人の女性を堪能することができます。また、それでいて、演じているのは飽くまで小夜子であるという点、小夜子の可愛らしさを微細に残しているところは、絶妙だと思います。久美さんの匙加減の上手さに唸らされます。
 また、匙加減と言えば、ドラマの後半、満月を見て、月に魅了されるように「今夜は特別な夜だと思わない?」と聖夜に語り掛ける、幻想的な芝居や、聖夜に抱かれるシーンで、幼さもある可愛らしい声から、ちょっと大人びた声、¨女¨の声に変わる芝居など、演技の変化もバランス感覚に優れていて、特筆したい点です。
 ちょっとHなドラマCDですが、久美さんの演技の迫力を意識できる作品でもありますので、ぜひご一聴下さい。
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