Sakura Cafe ミニミニライブショウ
〜西原久美子『アイリス』を歌う〜
☆ミニミニレポート☆



 このミニライブが発表された時、私はちょっぴり不安でした。
「久美さん一人で大丈夫かな。一人でちゃんと進行できるかな、仕切れるかな」と。
 しかし、それは全くの己憂でした。
 久美さんは積極的に、見方によってはいっぱいいっぱいで頑張りながらも、立派にこなしていました。
 どこに出しても恥ずかしくない、そんな素敵なステージでした。
 拙い文章ではありますが、これはそんな久美さんのレポートです(第1・2・4回の内容を元に構成しています)。
 またこの場を借りて、深く感謝します。本来、抽選が外れ、観ることが出来なかった私に声を掛けてくれた皆さん、本当にありがとうございました。


●(オープニング)お花畑
 オープニングは「お花畑」でした。
 Sakura Cafeに常設されているステージに前奏と共に登場。
 衣装はピンハ! 「やっぱりあなたが一番いいわ」の時に着ていたあの服です(「悠久ファイナルコンサートでも着ていらっしゃいました)。髪もあの「ありな」に近い感じで、後ろをアップにして、二つに分けていました。ご存知無い方は「劇団21世紀FOX」さんの公式サイトにその公演の写真がありますので、そちらをご覧下さい。
 出だしの部分を歌った後、「こんばんは(こんにちは)! 西原久美子です」と挨拶する久美さん。
 「平日なのに! 年度末なのに!」と、申し訳無さそうに、いっぱいのお客さんに来て下さったことを、声を張り上げて感謝していました。「そのぶん、お返ししたいと思っています」と、久美さんらしいお言葉。因みに第4回では「残業あったでしょ?」などと言っていました。
 その後は入るタイミングを取りつつ、歌を再開。
 「パーティをしよう〜♪」と歌い上げた後は、落ち着いた声音で「小さなホームパーティみたいなライブにしたいと思っています」とおっしゃっていましたが、本当にその通りの素敵なライブとなりました。

●エチュード
●愛しのジャンポール
 「お花畑」の後は続けて2曲。まずは「エチュード」。
 手をかざしてみたり、感情込めて視線をうつむかせたりと、しっとりと、且つ情感たっぷりに歌い上げていました。
 最後はスカートを摘んで上品に会釈。いつものアイリスに負けず劣らずとっても可愛らしかったです。
 1曲、歌い終わると、暗くなる中、背中を向けて、後ろのテーブルにあるペットボトルを飲んでいました。
 「愛しのジャンポール」はマイクを両手で抱え、切々と歌い上げていました。途中の台詞のところは、ちょっと大人びた雰囲気で。第3回目では、音響さんのトラブルか、マイクが入らなくて、腕でばってんマークを作って、「今のは無かったことにして下さい」(笑)なんてこともあったそうです。第2回目でも一瞬、入らなかったことがありましたが、その時は冷静に、普通に歌い上げていました。
 2曲、続けて歌い終わると、改めて挨拶し、お客さんに呼び掛けます。「飲んでますか? 食べてますか?」「残してますよ」などと言ったりして(笑)、今度は立ち見のお客さんに向かって謝る久美さん。「ごめんなさいっ! 立ち見は何にも無いんです〜」!(笑)
 そしてこれは本当に申し訳無さそうに、「更に柱の後ろのお客さん! 何にも見えないですよね。すみません、後で行きますからね」と謝っていました。そういう声の掛け方をするところが、気遣い上手な久美さんらしいやり取りです。
 また、第1回目では観に来ていた横山智佐さんや高乃麗さん、富沢美知恵さんに、「あたたかく見守っていて下さいね」と声を掛けていました。また第3回目では、田中真弓さんがいらっしゃっていて、その時は「小さくて分からなかったわ」などと言っていたそうです(笑)。

●回替わりトーク
 そんなこんなで、「えっと」という言葉と共にトークに入ります。毎回、お話していた内容は違いました。
 第1回目は、「エチュード」も「愛しのジャンポール」も歌ったのはずっと前ということで、ちょっとした昔話。
「愛ゆえに」の頃、冬服を着てでかく見えるアイリスでやった身長ネタや、「つばさ」で夏服になってちょっとコンパクトに見えることでやったもう一つの身長ネタ(呪文を唱えるところ。「でっかく見えるのは気のせいだ〜!」)のことを話していました。
 「でも紅蜥蜴の時、広井さんに身長ネタはもうやめてくれと言われました」とおっしゃる久美さん。もう西原さんはアイリスそのままだから、ということを言われたそうです。「それ以来、身長ネタは大喜利だけです」と笑う久美さん。それからカンナについてもお話しました。歌謡ショウのカンナは身長ネタあってのカンナだから、「真弓さんは歌謡ショウが終わるまで身長ネタを言い続けていることでしょう」とおっしゃっていました(笑)。
 第2回目では、アイリスにとってかけがえの無い存在、ジャンポール、自分にとってのジャンポールはということで話し始め、愛犬について。
 ご存知、久美さんの愛犬、赤黒い毛のミニチュアダックス、ペロちゃんと黒い毛のトイプードル、キャンディちゃん。
 ペロちゃんのいびきがすごいというお話で、そのいびきを久美さん、真似していました。可愛かったです。ある夜、そのいびきが物凄くて、はっと目を覚ましたら、目の前にそのペロちゃんの顔があったそうです。「人間みたいにベッドに入っていたんです」と、大層、驚いたように話す久美さん。更に「犬って寝言も言うんですよね。聞いたことありますか?」と言って、「くぅーん、くぅーん」とその寝言の真似もしてくれました。
 相変わらず、ペロちゃんもキャンディちゃんも自分が家に帰ってくると、嬉しそうに飛び付いてくるそうです。で、ミニライブの稽古は深夜で昨日はホテルに泊まったとのことなのですが、キャンディちゃんはじっと玄関で待っていたそうです。一方、ペロちゃんはベッドの中で寝ていたそうです(笑)。「ちゃっかり者のペロちゃんと忠犬ハチ公のようなキャンディちゃん」とおっしゃる久美さん。この2匹は久美さんにとって家族であり、かけがえの無い存在だそうです。
 やはり大好きな愛犬たちの話になると止まらなくなるのでしょうか、そんな感じでいっぱいお話していました(因みに第3回目も犬の話をされていたそうです)。
 第4回目は、歌謡ショウ「つばさ」の時に楽屋で出回った、「真実のアイリス」という写真集について(笑)。
 アイリスがビールを飲んだり、煙草を吸ったり、ビニール袋を口に当てたりしている写真集を見せられてびっくりしたそうです。あたし、こんなことしたっけか、と考えた久美さん。「ビールは飲みました。楽屋で、乾杯だけですけどね。煙草はあたし、吸いません。と言うより吸えないんです」とおっしゃって、「もうお分かりですよね?」とここでネタばらし。そう、「愛しのジャンポール」の時のダミーアイリス。顔が見えないギリギリの角度で撮った写真だったそうです(笑)。
 「みんなに見せてあげたい〜!」と久美さん。半ば本気な久美さんでしたが、第4回目にもいらしていた真弓さんに、「それはヤバイ!」と声が掛かり、止められていました(笑)。歌謡ショウの写真集「歌謡ショウ全史」に、一枚だけその写真が載るとのことです。でも、これだけ喋った後で、「ネタバレになっちゃたから見ても面白く無いですよね」と謝ってしまう久美さん。そこまで言うところが、何ともまた久美さんらしいです。

●ラムネの歌
 「ええと、水を飲ませて下さい!」と照れ臭そうに言う久美さん。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、久美さんはいつもペットボトルを持ち歩いています。喉の乾きに耐えられない人で、たえず水を飲んでいないといけないという話をします。「枕元に水を置いておくくらい」(第1回目)、「どこでも道端でも駅のホームでも」(第2回目)とおっしゃって、一頻り話すと、また水を飲ませてもらう久美さん。すると、テーブルの上にはラムネが(笑)。「おやおや〜。こんなところにラムネが」と、にやりとする久美さん。これがネタ振りとなって、「ラムネの歌」へ。
 これは「海神別荘」以来、全く聴くことが出来なかった曲ですので、とても貴重でした。久美さんの優しいお顔に似合った歌声が印象的でした。で、間奏の台詞はミニミニライブ・バージョンとなっていました。「ラムネって炭酸水でしょ。でね、温泉が何か名物を作れないかなあって考えて出来たのがラムネなんだって」と言うような感じで、最後に「歌謡ショウではカットになった、広井さんの蘊蓄です」と付け加えていた久美さんでした(笑)。
 因みに第4回目では、西村が乱入して、自分の持っていた空のラムネ瓶と入れ替え、ラムネを持って帰っていきました(笑)。「海神別荘」では丁度、この「ラムネの歌」で絡んでいましたしね。「ラムネがいつの間にか空に」と久美さん。盛り上げてくれた西村さんに「西やん、ありがと〜」とおっしゃっていました。

●チチンのプイ
 「しゅわ〜っ」と歌い終わると、今度は着ている衣装の話に。
 「アイリスの曲って本当に可愛い曲ばかりで、「しゅわ〜っ」も「エチュード」も「愛しのジャンポール」もアイリスの格好しているから歌えるんですけれど」とおっしゃって、普段の自分では曲とのギャップの差が大きいということを苦笑しつつお話していました。
 「そこで、少しでもそのギャップを減らすために、今日は自分が持っている服の中で一番、可愛いのを着てきました。プライベートじゃ恥ずかしくて着られません。舞台衣装で使ったこともあるので、見覚えのある方もいらっしゃることでしょう」
 第4回目では思い出したのか、二番目に可愛い服とおっしゃって、一番は「アリス・イン・ワンダーランド」の、丈の短いスカートの、ロリータの服と説明していました。
 「でも、この可愛い服をもってしても歌えない曲があります!」と、切羽詰まった様子で叫ぶ久美さん(笑)。と言う訳で、「チチンのプイ」はお客さんも一緒に歌うことになりました。「でもみんなに上手に可愛く歌われてはあたしも立場が無いので」とおっしゃって(笑)、一部分だけ歌ってほしいとお願いしていました。
 「支配人さん、支配人さん」と久美さんが呼ぶと、店長さん(?)が歌詞が書かれた札を持って登場。久美さんの元気な直筆で、裏にはサインと共に「ありがとー!」とか書かれていました。そして、柱を挟んで対面に作られたステージへと移動する久美さん。札に書かれた歌詞の部分を歌ってほしいとお願いしたり、モニターにカラオケみたいに歌詞が出てきて、白いところは自分が歌うところ、黄色いところは皆さんが歌うところですと説明していました。
 そして先ずは練習。「どんな病気も治します」という下りからがお客さんが歌うところで、久美さんが音頭を取ります。そして「チチ〜ンのプイ!」もお客さんが歌うところなのですが、そこまでの歌詞は早送りで歌っていた久美さんでした(笑)。歌い終わると「優秀〜!」と誉め、「余裕があったら、他のところも歌って構いません。でもあたしより可愛く歌ってはNGです」と言っていました(笑)。更に回によっては、「ちゃんと歌って下さいね。歌わないと帰しません。あたしは帰りますけれどね」と脅していました(笑)。本当に久美さんの司会ぶりは立派なものでした。愉しいものでした。
 本番では、立ち見席の方を向いたり、あちこち移動しながら、愉しげに歌っておられました。お客さんにマイクを向けて歌わせたり、お名前を聞いたりも。第4回目では、観に来ていた田中真弓さんにマイクを向けて歌わせたりしていました。
 また、第2回目以降は、左手にジャンポールの操り人形をはめて歌っていました(お客さんからのプレゼントだそうです)。移動の最中、同じようにそれをはめていたお客さんとじゃれ合う姿も見られました。
 因みに歌詞が書かれた柄の部分は100円ショップで買った布団叩きだと、チープな制作秘話を話してくれたこともありました(笑)。

●「青い鳥」の朗読、「希望」
 大いに盛り上がった後は、久美さんの役者としての真髄を見せてくれました。「ドラマCD「青い鳥」やOVA「水の都市」では出てきたけれど、どんなお話か良く解らなかったですよね」という風に話し始め、メーテルリンクの原作「青い鳥」の中から、久美さんが特に気に入った3つのエピソードを、「ミチル」の役柄を借りて朗読してくれました。
 「緊張します」と言いながらも、元のステージに戻って、台本を左手に持ち、表情を変え、台詞が出てきた瞬間、空気は正しく一変しました。
 Sakura Cafe全体があたたかな空気に満ちみちていく……。本当にそんな感じでした。
 死んだおじいちゃん、おばあちゃんに再会するお話、家にいるよりもずっと綺麗なお母さんに会うお話、未来の弟に出会うお話。久美さんの表情と台詞は、「ミチル」が見ている光景があたかも本当にそこにあるかのように思えました。素晴らしかったです。
 同時に、お母さんの役や弟の役も声を変えて演じていましたが、さすがです。圧巻の迫力でした。アイリスの声しか知らない方には、これは新鮮な感動でもあったと思います。
 エピソードが変わる時は暗転する中、鈴をチリチリンと鳴らしていました(これも100円ショップですが、付いていたリボンは久美さんの自作だそうです)。
 そしてエピローグを語り終えると、「希望」へ。
 伊倉さんが現れ、前半は物悲しく静かに、そして後半は高揚し、輝かしく、感動的に二人で歌い上げていました。個人的に一番、好きな曲でもあったので、朗読の感動と相俟って、目がうるうるしてしまいました。本当に本当に素敵でした。
 歌い終わると、「お待たせしました。伊倉一恵さんです!」と紹介する久美さん。ここでちょっとお話。このライブは自分で全て構成を考えなければいけないそうなのですが久美さんが先ずしたことは、伊倉さんをゲストに呼ぶことでした。「優しいいい人です」と言う伊倉さん。照れ笑いする久美さんでしたが、第2回目では「その通りなんですけれどね」などと返したりも(笑)。「ゲストに呼んだのをいいこに、伊倉さんに相談しまくっちゃいました」と語る久美さん。「青い鳥」の本を一緒に読んでくれたことなど、話して下さいました。
 ここまで読んでお分かりにもなるかと思いますが、このライブの流れ、構成も良かったですよね。
 また、久美さんは左肩にひまわりのコサージュを付けていたのですが、第2回目以降は赤いひらひらが付いた、非常に目立つ素敵なものに変わっていました。これも伊倉さんが付けてくれたそうです。

●ノエル=ノエル
 そして、「青い鳥」はクリスマス・イブの話というところから、フランスのクリスマス・キャロル「ノエル=ノエル」をアカペラで歌って下さいました。二人で輪唱です。
 「ノエル=ノエル」の曲を説明している最中、久美さんは袖で水分補給。いざ歌う段になって、伊倉さんに 「飲む?」と勧める一幕も。第1回目と第2回目では伊倉さんが飲んで、「間接キス」と久美さんが喜んでいました(笑)。
 久美さんの美しい歌声と伊倉さんの清々しい歌声が混じり合う様がとっても素敵でした。心が洗われるかのような、瑞々しいメロディでした。「ノエール ノエール♪」と繰り返す、鮮烈な歌声が非常に耳に残ります。
 聴こえているでしょうか? 今このページで流れているのが、「ノエル=ノエル」の主旋律です。
 第4回目ではちょっと間違えたらしく(と言っても、どこか分からないくらい)、「ちょっと間違えちゃった」と自己申告してしまう相変わらずな久美さんでしたが、伊倉さんが事も無げにフォローしていました。
 歌い終わると、またちょっとトークです。「3月26日は何の日?」とお客さんに問い掛けるお二人。そう、新春歌謡ショウのDVDの発売日です。第1回目では、答えが上がるまで、暫くの間があり、「え〜!知らないの〜!」などと残念がる一幕もありました(笑)。第4回目では、「この太正浪漫堂にも少しあるそうです」と久美さんが言い、「少しなんだ」と伊倉さんに返され、「少しって言ってたよ」と普通に答える久美さんが妙に面白かったでした。
 新春歌謡ショウのDVDは久美さんたちも楽しみであり、日替わりもしっかり収録されているということで、当然、「お国自慢ゲキテイ」にも触れる伊倉さん。毎回、困ったような笑いを浮かべる久美さんが、とても可愛かったです。
 第1回目ではアイリスが失敗したのは「計算のうち!」「マリアやレニは失敗しちゃいけないでしょ」などともおっしゃっていました(笑)。因みにゲネではレニで、それは失敗しちゃったらしいです。「らんららんら〜♪」で誤魔化したそうですが、「それもドイツ語っぽかったよ」と言ってあげる久美さん。
 そして第4回目では、伊倉さんやお客さんの声援を後押しに、何とリベンジしてくれました。アカペラで、サビに入る前までを、久美さん、フランス語ゲキテイを歌ってくれました。必死そうでしたが(笑)、無事、上手くいき、大きな拍手に包まれた久美さんでした。

●(エンディング)希望の星よ
 「まだまだ話したいこともありますが……」とおっしゃる久美さん。
 あっと言う間の時間でした。もうおしまいです。
 最後は伊倉さんがコーラスを担当していの、「希望の星よ」でした。
 曲の後半、伊倉さんが銀粉(久美さんが夏に歌った時は金でしたよね)を久美さんに振り掛けてあげる姿が本当に素敵でした。
 間奏で久美さんは言います。
 「今日はいい経験をさせて頂きました。今回のような機会が無かったら、あたしは一生、自分のライブをやるなんてことは無かったでしょう……」
 そう述べ、スタッフの方々、自分を見守り励ましてくれた方々、そして伊倉さん、「ここに今いる皆さんのお蔭です」と締めくくり、深々と頭を下げていました。
 ライブが終わると、頭を下げながらSakura Cafeを一巡りし、手を振りながら、袖へと帰っていきました。
 第4回目では、練り歩く久美さんに、お客さんの何人かがお花やプレゼントをお手渡しして、ラストに相応しい雰囲気で、愛に包まれながらライブを終えた久美さんでした☆


・・・総括

 今回、久美さんは眩しいくらいに輝いていました。
 特にお客さんに語り掛ける姿に、私は眩しさを感じました。
 普通にトークをしている時は、いつもの久美さん。言葉を選びつつ懸命に、聞いている人を楽しませようと努力の跡が窺える、そんな話し方です。
 一方、「チチンのプイ」でジョークも交えつつ、お客さんに話し掛け、盛り立てている久美さんの横顔は、頼りになるお姉さんのようで、非常に魅力的で眩しいものでした。明るく、はきはきと、積極的に声を出す久美さん。
 無論、こうしてお客さんに語り掛けるところでは、回替わりのトークとは違い、構成を考えている時に予め喋ることを決め、頭の中で随分イメージもされたことでしょう。
 でも、司会している姿は堂に入ったもので、切ないほどに眩しく、立派でした。
 お客さんから掛かる声に良く反応を返していたところもそうですが、久美さんの人好きのする性格がまた、眩しく見えるのかもしれません。
 懸命に話す久美さんと人好きのする様子の久美さん。これらの要素がライブ全体を、洗練されてはいないけれど、あったかい雰囲気にし、そう、あたかも久美さんの人柄に包まれたような50分間にしていたように思います。
 そしてもう一つ、役者として眩しかったのは、やはり朗読のところでしょう。
 先述したように、声のトーンや台詞だけでなく、表情も大きなファクターとして、物語の情景、「ミチル」の心情を表現していました。Sakura Cafe全体が「青い鳥」の童話の匂いに包まれ、「ミチル」が見ているものが本当にそこにあると錯覚してしまうほどに、表情でも多くを語っていました。
 更に、お母さんを演じる時は限り無く優しく、未来の弟(赤ん坊)を演じる時はどことなくやんちゃそうに、でも喋る赤ん坊という不思議さもあるから極力、抑えた表情で、といった具合の変化も見逃せません。
 声優さんだけではない、さすが舞台の人間です。
 不粋な言い方かもしれませんが、役者本来の力もしっかり見せつけてくれました。
 立派だった久美さん。眩しかった久美さん。
 伊倉さんをゲストに迎え、伊倉さんの力を借りられたことは、やはり久美さんにとって大きなことだったと思います。一人では無理、とまでは言わないにしても、「一人では……」と、不安はかなりあったことでしょう。
 ……目を閉じると、宿題に困った女の子の顔をして、伊倉さんに話し掛けている久美さんの姿が思い浮かびます。
 伊倉さんという心強い味方が自信に繋がり、それがまた久美さんを眩しく見せていたのかもしれません。
 もし次回があったとしたら、久美さんはまたゲストを呼ぶでしょうか。
 私はそれでもいいと思います。それが久美さんだから。


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