⇔⇔⇔第24回公演時⇔⇔⇔
⇔⇔⇔ピックアップ[迷]シーン⇔⇔⇔



 名シーンをピックアップしようとすると、全てが全て名シーンになってしまい、全部が全部、お気に入りになってしまうのが、「アリス イン ワンダーランド」です。なので、[迷]として、ピックアップしてみました。私の超個人的なし好により選んだ、お気に入りシーンです。



◎第3位◎

〜6の目 湖〜
湖で遊ぶアリス、そして・・・?


 物語全体を通して観ると、些細な1シーンなのですが、私一押しの場面です☆
 コウモリ傘鳥さんに案内されて、6の目に辿り着いたアリス。ゆっくりと周囲を見回して、湖を見付けます。
 ため息混じりに声を上げ、
「湖だわー!」
 と、両手を可愛らしく軽く上げた格好で、ぱたぱたと駆け寄ります。
 しゃがみ込むと、右手を湖の中に入れて、
「冷たい」
 と、これがまた、嬉しそうに言うんです。最高に可愛い一瞬です☆ きゃあ、つめた〜い、というのではなく、つめたい、と一字一句はっきり言って、感触を楽しむかのように、左手で右手で抱きます。ご機嫌モードに入ったアリス、という感じで、もうとてつも無く可愛いのです。
 気分は上々。一度、大きく両手で水を掻き上げ、そして、わっ☆わっ☆と、繰り返しばしゃばしゃやります。一緒にばしゃばしゃかけ合いたいくらい、可愛いです。
 一頻りやって笑い声を上げると、今度は、
「おし」
 と、足元にあった小石を拾い上げ、石投げを始めます。海や湖なんかでよくやる、水面を何回、石が跳ねていくか、あの、てんてん跳ねていくやつです。
「1、2、3、4、・・・」
 と早口で、何回、小石が跳ねたか、数えます。足を開き、腰を落として、右人差し指を小刻みに動かして、左手は後ろに高く上げた格好です。
 湖の前でしゃがみ込んだりする時は、ちゃんと膝を揃えて、女の子しているという感じですが、こういうところの無防備な姿勢で、まだまだ子供、そして快活なアリスらしさが表現されていました。
 比較的いいところの生まれ(家庭教師が付いているくらいですし)、という部分と、こういう元気いっぱいな部分が、織り混ぜて演じられていたのも、アリスの大きな魅力です。
「おし」
 さて、そう呟くと、舞台右手(向かって)から左手へと駆けていき、今度はそちらから石投げをするアリス。
「1、2、3、4、5、6、7、8!」  ところがその先で、があっ! と、何やら鳥の鳴き声が・・・。
 アリスの投げた石がぶつかってしまった模様。まずい・・・といった感じで、ゆっくりと両手で口元を押さえるアリス。逃げるようにして、舞台右手へ、そーっと歩いていきます。
 すると舞台右より、スポットライトと共に白鳥が登場。あの、『白鳥の湖』(このシーンにはずっと、『白鳥の湖』が掛かっています)、あれのバレエ姿の男(笑)が、優雅に(?)踊りながら、アリスの前に姿を見せます。
 ゆっくりと踊りながら近付いてくると、当たった小石をアリスの前に放ります。
 そしてやはり踊りながら去っていく白鳥男(笑)。アリスは、しまった〜、という風に、自分の頭を両手でぽかぽか殴る仕草をします。
 と、『白鳥の湖』の一番、私たちに馴染み深いフレーズと共に、白鳥男は戻ってきます。ぱっとそちらへと身体を向けるアリス。
 リズミカルなダンスで、白鳥男はアリスの眼前までやって来ます。
「あのー」
 と、声を掛けるアリス。ところがわざわざ戻ってきておきながら、絶妙のタイミングと動作で、白鳥男はぷいっと、顔を来た方へと向けてしまいます(笑)。
「あの!」
 と、必死にアリスは声を掛けますが、来た時と同じ踊りで、白鳥男は舞台左へと消えていってしまいます。どうやら怒っているみたい(笑)
「あ! ・・・あ・・・」
 と、アリスは言葉を詰まらせながら、
「ごめんなさいー!」
 大声で謝ります。
「わざとやったんじゃないのにぃ・・・」
 と、泣き出しそうな声で、独り呟き、地面を何度か蹴ります。もう、可愛いったらありゃしません☆
 すると、音楽が明るく楽しげなものへと変わり、白鳥男が戻ってきます。今度は喜びの舞いといった感の、うきうきと愉しげな踊りを見せます。
 アリスの前で、いいからいいから、という風に、ぱたぱたと手を振る仕草も交え、やがて舞台右へと去っていく白鳥男。
 見送るアリス。そして、嬉しそうーに、
「許してくれた☆」
 と言います。
 この一言が大好きなんです。舞台の流れで、笑いが起きる台詞となっていて、面白い且つ可愛いのです。力を抜いた感じで、そっと「許してくれた☆」。えへっ☆とは口には出していませんが、正にそんな雰囲気。
 それがお芝居の中では、笑う切っ掛けとなっていて、おいしい台詞で、私はお気に入りなのです。
 ああ・・・もう、久美さんもアリスも大好き★
 こんな締め方で許して下さい★


◎第2位◎

〜4の目 ダムダム&ディーディ〜
次の目への道を探そうとするアリス



 第2位は、かの有名な(?)ダムダム&ディーディーのシーンの冒頭から、コミカルなアリスです☆
「ここ、四の目かしらー!」
 まだ舞台には姿を見せていませんが、顔がぱっと輝いているような声でそう言ってから、アリスは出てくるやいなや、ぱたぱたとそこらを走り回ります。狭い舞台の上を広く複雑な場所に見せるため、脚を小刻みに、腕を細かくくるくる回し、あちこち駆け回っている様子をコミカルに味付けて演じています。
「でも・・・一体、どっちに進んだらいいんでしょう」
 一頻り走り回り、周囲を見回しながら、アリスは不安げな声で独りごちます。
「こういう時は・・・森で、道に迷った時は・・・」
「そうだっ!」
 腕と足を広げ(ちょっと上品に女の子っぽく)、高台(舞台右手にしつらえられている階段)を指差すアリス。
「高いところに登ればいいんだー!」
 とびっきりに可愛い明るい声で、アリスは声を上げます。両腕を斜め上方に揚げ、左足を曲げて飛び跳ね、アリスは高台を駆け上がります。
 10年前から久美さんは凄いです☆
 こうした一瞬一瞬の動きが非常に器用と言うか巧みで、抜群の可愛らしさを持っています。
 高台に上がったアリス。しかし・・・
「あっちの方が高い・・・」
 と、呟き、
「しまった」
 気を抜いた、トーンを落とした声で、言ってみれば、「アリス」からちょっとずらした雰囲気でそう言い、軽い笑いを取るアリス、と言うか久美さん☆
 階段を駆け下りていきます。
 一本の大きな木を見つけたアリス。
 勿論、実際には何もありません。上を見上げる久美さんの仕草と話の流れからそうだと分かります。
 枝を見上げ、
「よし・・・!」
 気合いを入れるように、両腕を軽く曲げ、アリスは呟きます。そう、アリスは木登りをしようというのです。
 ここからのアリスがまたコミカルで可愛いのです☆
 まず幹に抱き付きます。右手が上、左手が下で、幹を抱え込み、左足を引っ掛けます。何とも間抜けな体勢ですが、久美さんがやると面白いだけでなく、とてつもなく可愛らしいのです。
 どうもうまくいかないアリス。首を二度、傾げ、再び今度は別の角度から、同じように幹に抱き付きます(引っ掛ける足は右)今度はもう少し頑張っている感じで、首と上体が少し斜めになっています。この辺りから、ディーディー(中嶋聡彦さん)とダムダム(河本浩之さん)が、それぞれ左と右から覗いています。
 やっぱりうまくいかないアリス。うまくいく訳もありませんが(笑)。
 首を傾げ、少し考えるような素振りで腕を回し、アリスは再度トライします。幹を両腕で抱え、足を引っ掛け、そこから身体を持ち上げようとします。
「うっ! ううっ! ううぅっ!」
 声を上げて、一生懸命なアリス。いかにも腹から出ているような低めの声で、面白く久美さんは演じていました。そして極め付けがこれ☆
「ずるっ!」
 と、擬音を自分で言って、アリスは木から滑り落ち、尻餅をついてしまいます。
 もうダムダム&ディーディーは後ろから出てきていて、アリスの後ろに立っています。しかし、木登りに夢中なアリスは気付いていません。
「あああーっ!」
 負けるもんかとばかりに声を上げ、闘志を燃やすアリス(笑)。可愛いったらありゃしません☆ 迷シーンでもアリスは、久美さんは可愛いのです!
 ぷっ、ぷっ、と手に唾を吐き掛けるアリス。
「はっ!」
 と、今度は枝にぶら下がります。両腕を真っ直ぐ伸ばして手を握り、爪先立ちした体勢です。
「うっ! んあっ!! んん・・・!」
 何とかして、身体を持ち上げようとします。ところが・・・
ダムダム「それじゃあ駄目だー!」
ディーディー「そいつは無理だ」
 右と左から声を掛けられます。
「ええーっ!?」
ダムダム「はい、ご苦労さん」
 ディーディーが指を鳴らすと、パキッ、と、枝が折れてしまいます。
「うわっ!」
 尻餅をつくアリス。
 と、第2位の迷シーンはここまでです。
 基本的に、勇気りんりん、可愛く元気で活発で、いいところのお嬢さんなアリス。
 白の騎士と黒の騎士の対決のシーンを後半の笑いの山場とするなら、ダムダム&ディーディーのシーンは前半の笑いの山場です。そう、このシーンを始め、ここでのアリスは二人のペースに引きずられっ放し、てんてこまいです。天才(?)久美さんの迷演技、素の久美さんが入り混じった姿が見られます。
 因みにこんなのもあります。
 次の目への道を探したいアリスでしたが、遊びが大好きなダムダム&ディーディーは、彼女は道探しゲームがしたいのだと勘違いしてしまいます。しかし、道探しゲームも本当に道を探すということで、二人は道を探してくれることに・・・。
 という訳で、ダムダムはアリスに握手を求めます。舞台に向かって左から、ダムダム、アリス、ディーディー、という順に三人は立っています。文章では分かり辛いですが、ダムダムは左手で握手を求めてきます。なので、アリスは左手を差し出します。そのままの格好で、次はディーディーが右手で握手を求めてきます。右手を差し出すアリス。アリスは、自分の右側にいるダムダムに左手を出し、自分の左側にいるディーディーに右手を出したのです。つまり、左腕と右腕が交差してしまった、何とも変てこな格好になってしまたのです。
 意地悪な二人は、「握手ー」と、左右からアリスの腕を引っ張ります(笑)
「いだーい」
 と、痛がる久美さん混じりなアリスが、とっても面白可愛かったのです。「いたーい」ではなく、「いだーい」というのが、ミソなのです☆
 あともう1個だけ、おまけです。
 道を探してくれると言って、遊んだり喧嘩してばかりのダムダム&ディーディーに、とうとうアリスは腹を立てます。
「あなたたちの言ってる遊びは、あたしにはちんぷんかんぷんよー!」
 この台詞の後、ダムダム&ディーディーにも突っ込まれるのですが、「あたしには〜」というところから、アリスは叫びながら恐ろしく器用な動きをします。
 両腕を後ろに向かって、ぐるんぐるんと回し、最後に、両腕、両足を大きく広げ、飛び跳ねます。
 実際にやってみようとすると分かりますが、ええと、到底できません(笑)。でも舞台の上の久美さんは、特別、笑いを取ろうという雰囲気ではなく(笑いはこの後の二人の突っ込みによって起こるのですが)、怒っているんだ、という感情を表現しつつ、ごくごく自然に、本当に当たり前のようにやっています。さすがです・・・。10年前ですら、こうだったのです。
 もう、この世でこんなことができるのは久美さんだけです☆



るい的ピックアップ[迷]シーン
◎第1位◎

〜7の目〜
黒の騎士から逃げろ!



 栄えある・・・いえ、そんな大袈裟な話ではないですね(笑)。とにかく第1位はこれ! シーンと言うより、シーンの一部ですね。ほんの十数秒の間の出来事ですが、私が選ぶ迷シーンNO.1。何度、観ても、笑みがこぼれてしまいます。
 黒の騎士(飛矢馬剣さん)に捕まってしまったアリスは、キャロル先生(黒瀬浩二さん)、マッドランドハッセル卿(牧内利文さん)と共に牢屋から脱出します。
 ところが再び、黒の騎士に見つかってしまいます。逃げ惑うアリスたち。暫しして、そろりそろりとアリスたちは舞台上に戻ってきます。舞台奥へと進み、向かって左側の様子を伺います。キャロル先生が覗き込み、後ろにアリス、ハッセル卿の順で並んでいます。
 と、そこへ黒の騎士が現れ、「おい」とハッセル卿の肩を剣で叩きます。
「うひょー!」
 右膝を上げ、左手はお腹の辺り、右手は掲げて・・・『シェー!』のポーズみたいな感じ。そんなコミカルなポーズで、アリスは悲鳴を上げます。
 因みにこの悲鳴とポーズは、お父さん譲り☆ 序盤とラストシーンでアリスのお父さん(鹿島ぼんさん)が、びっくりした時に同じ仕草をしているんです。
 「逃げろー!」と、キャロル先生。
「わああ!」
 と、いまいち緊張感に欠ける声を上げて(笑)、アリスたちは逃げ出します。キャロル先生、アリス、ハッセル卿の順で、時計の針と反対回りに舞台の上を走り出します。
 小刻みな歩幅でコミカルに。足と腕をぱたぱたと、せわしなく動かします。第2位の冒頭のように、小さな舞台の上を云々、という訳ではないでしょう。単にここは、その姿を見ているだけで面白い、且つ可愛い、そんな場面です。
 「アリス、大丈夫か?」と、声を掛けるキャロル先生。
 アリスたちはちょこまかと走り続けます。
「だいじょぶ!」
 「頑張るんだ!」と、続けるキャロル先生。
「うん!」
 そして、丁度一周しようかという時・・・。
 ・・・真面目に書き表してみると、変てこなこと、この上無いですね(笑)。
 黒の騎士はアリスたちを追い掛ける訳でもなく、横に数歩、移動しただけ。
 ですから当然・・・
 黒の騎士と顔を合わせます(笑)。
 「わっ、こっちにもいた!」と、驚くキャロル先生。
 「反対だ!」と、引き返して、今度は時計回りに逃げ出します。
「反対だ!」
 黒の騎士に追われているという緊張感も遥か彼方(笑)。どことな〜く愉しげな色も混じった声で、アリスも先生の後をついて走り出します。そうそう、子供の遊びの中にある緊張感。あんな真剣さです。
 更にハッセル卿まで、同じように「反対だ!」と繰り返して、 後ろをついて走り出します(笑)。
 そして、舞台前面、真ん中まで走ってきたところで、
 「あっ、つまずいた!」と、転んでしまうキャロル先生。
「あっ、つまずいた!」
 と、これは本当かわざとか微妙な空気を残して、アリスも転びます(笑)。ぴょん、と跳ねて、横に倒れます。
 わざとですね(笑)
 因みに、観ていると、とても軽快な動きなのですが、怪我しないように転ぶのって、かなり大変なことなんだろうと思います。
 そして・・・
 「あっ、つまずいた!」
 と、明らかにわざとに(笑)、ハッセル卿まで転びます。
 「馬鹿ばっかし!」と、吐き捨てる黒の騎士(笑)。
 ここまでです。
 前のシーンで、アリスたちにしてやられた岩の番人(藤間浩也さん)が、舞台左奥の隅っこで、ず〜っとうずくまりっ放しなのも妙に可笑しかったりして。この後も、黒の女王が現われるまでず〜っとうずくまりっ放しです(笑)。
 もう、総合力の勝利、という感じでしょうか。久美さん一人の力だけではなく、黒瀬さんたちあってのシーン。そして皆で真面目にふざけている。
 短い場面ではありましたが、本当に面白い十数秒間です。
 FOXさんの公式HPで、久美さんがコメントを載せていますが、本当の意味での主役は、アリスが次々に出会う不思議で奇妙でステキな人たち。
 この場面も、それを感じさせてくれる一端と言って良いでしょう。
 主役は飽くまでアリスですが、「アリス〜」は皆さん、他の役者さんたちあっての「アリス〜」なんです。
 皆さんの輝きが久美さんを輝かせ、久美さんの輝きがまた皆さんを輝かせる。濃く演じる役者さんたちとの相乗効果。
 リデルを探す冒険の果てに、アリスはポーンからクイーンへと変身しますが、それは、皆の輝きを受けた久美さんの輝きが最高潮に達した瞬間でもあるかもしれません。


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